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【税金相談】子どもが海外留学を希望しているのですが、資金が足りません。祖父母から資金援助を受けるとどうなりますか?

ファイナンシャルフィールド / 2022年7月26日 2時40分

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<今回の相談内容> Aさん夫婦はともに会社員です。子どもは大学生で、海外留学を希望しているのですが、留学資金を準備できずにいます。祖父母が資金を援助すると言ってくれているのですが、援助を受けたら贈与税がかかるのでしょうか […]

<今回の相談内容>

Aさん夫婦はともに会社員です。子どもは大学生で、海外留学を希望しているのですが、留学資金を準備できずにいます。祖父母が資金を援助すると言ってくれているのですが、援助を受けたら贈与税がかかるのでしょうか。

 
海外の大学や大学院への留学資金は、国内での進学よりお金がかかります。一般的な会社員の両親であれば、資金の準備は簡単ではないと思います。そんなとき、祖父母が援助を申し出てくれたら、助かることでしょう。
 
ただし、祖父母からの教育資金援助では、援助の受け方や金額によって、贈与税がかかることがあります。できるだけ非課税で留学資金の援助を受け、祖父母の思いを有効に活用するために、3つの贈与を知っておきましょう。
 

暦年贈与

まず知っておきたいのは「暦年贈与」です。贈与には年間110万円の非課税枠があり、1年間(1月~12月)で110万円以下ならば、誰から贈与を受けても、どのような目的に使っても、原則として贈与税はかかりません。申告の必要もありません。
 
ですから、年110万円を超えない金額で、毎年贈与してもらう方法が考えられます。
 
年間110万円を超えた額については、贈与税がかかります。例えば200万円を受け取った場合、課税されるのは90万円で、贈与税は9万円です。きちんと納税しておけば、後々問題となることはありませんから、110万円を超える贈与についても、状況によっては選択肢の1つと考えてはいかがでしょうか。
 

都度贈与

2つ目は「都度贈与」です。祖父母には孫を扶養する義務があるので、孫が教育費や生活費として通常必要とする金額を、その都度贈与するのであれば、贈与税の対象とはなりません。
 
したがって、孫が留学するための入学金や授業料を祖父母が支払った場合、1年間に110万円を超えていても、それは扶養義務の範囲という考えから非課税です。
 
ただし、もらったお金を貯蓄したり、別の目的に使ったりすると贈与税の課税対象となってしまいます。ですから、たとえ何らかの理由で調べられても、困らないようにしておいたほうが安心です。
 
入学金や授業料を納めるときに祖父母から直接振り込んでもらう、または必要な金額を銀行口座に振り込んでもらって受け取ることで贈与額や贈与日、領収書等を記録・保管することで贈与目的を明確にして、残しておくとよいでしょう。
 

教育資金の一括贈与

都度贈与は面倒だし、まとまった金額で資金援助したいという祖父母もいらっしゃるでしょう。そのような場合、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」を利用できます。
 
この制度を利用して祖父母から孫(30歳未満)へ教育資金贈与をすれば、受贈者1人あたり最大1500万円までが非課税扱いです。教育費の対象となるのは入学金、授業料のほか、滞在費も含まれます。さらに渡航費用も500万円までは適用されます。
 
この非課税措置を利用するには、銀行や信託銀行などと契約して専用口座を開設しなければなりません。その口座に資金を預け、領収書等を提出して資金を引き出します。気をつけたいのは、制度の適用が2023年3月末までの贈与であることです。
 
また、受贈者である孫が30歳になるなど、教育資金口座に係る契約が終了したとき、残額があると贈与税の対象となってしまうことにも注意が必要です。
 
なお、この制度での「留学」は、海外の学校(高校、大学等)に行くことを前提としているので、個人で語学学校に通う、海外の学校等に通わないホームステイ、海外インターンシップ等は留学とはみなされません。
 
国内の塾代や習い事の費用と同じ扱いとなり、非課税枠が500万円となる、滞在費や渡航費が対象とならないなどの規定があるので、よく調べて利用しましょう。
 

まとめ

「暦年贈与」「都度贈与」「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」の3つを紹介しましたが、どれも併用できます。留学の時期や援助を受ける金額、利用しやすさなどを考慮しながら、組み合わせて活用するとよいでしょう。
 
執筆者:蟹山淳子
CFP(R)認定者

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