「霊感商法」「押し付け商法」など、さまざまな悪質商法の手口が! どれくらいの人が被害に遭っているの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月29日 10時10分
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「霊感商法」とは、警視庁の定義によると、単なるつぼや印鑑・置物などに、あたかも超自然的な霊力があると言葉たくみに思わせて、不当に高い値段で売り込む商法とされています(※1)。 そんなものにだまされる人がいるのか、と思うかもしれませんが、実際国民生活センターにも相談が寄せられており、例えば下記のような事例が挙げられています(※2)。
「霊感商法」「押し付け商法」など、さまざまな悪質商法の手口が
国民生活センターで紹介された事例は『雑誌広告を見て9千円の開運ブレスレットを購入したところ、後日その業者から「名前を書いてこちらに送れば霊能者が運勢をみる」と電話があった。試しに送ってみたところ、「先祖の供養をしないと親や子どもに災いが降りかかる」などと言われ、50万円振り込んでしまった。その後も祈とうが必要だと言われ、300万円振り込むように要求された。あまりに高額な請求におかしいのではないかと思い始めた』という内容のものです。
同センターでは、「霊感商法」の他、「押し付け商法」「点検商法」「催眠商法」など、さまざまな商法で不当に高額な費用を請求するという事案が後を絶たないとしています。
例えば、「押し付け商法」は、高額な商品を販売するため、家に上がり込んで長時間居座ったり大声で脅かしたりして、高額な羽毛布団や消火器等を無理やり売りつける商法で、いわゆる押し売りです。
「点検商法」は住宅や屋根瓦、配管等の無料点検を装って家庭を訪問し、「柱にヒビが入り、瓦がずれている。このままでは家が倒れる」などとウソを言い、全く必要のない工事を実施したりする商法なども紹介されています。
悪質商法には「特定商取引等事犯」と「利殖勧誘事犯」がある
警察庁は一般消費者を対象に、組織的・反復的に敢行される商取引で、 その商法自体に違法または不当な手段・方法が組み込まれたものを「悪質商法」とし、注意を呼びかけています(※3)。
先に挙げた商法は、悪質商法でも「特定商取引等事犯」に分類されており、特定商取引法に違反する行為及び特定商取引に関連する詐欺、恐喝等に係る事犯(法律に違反した行為)を言います。もう一つの悪質商法は、「利殖勧誘事犯」と分類されるもので、出資法、金融商品取引法、無限連鎖講防止法違反等に係る事犯で、詐欺に当たるものも含みます。
「利殖勧誘事犯」の例としては、仮想通貨やFXなど、旬のテーマに便乗して被害が発生しています。また、商品を販売すると同時にそれを預かり、第三者に貸し出すなどして、運用して得られた利益を後で還元するとうたい、高額な商品を購入させられるというものです。
見知らぬ業者から、「仮想通貨」「FX」「バイナリーオプション」「先物取引」「未公開株」などの金融商品の購入を「今だけ」「あなただけ」「絶対にもうかる」などと勧誘されたら、詐欺ではないかと疑ってみましょう。
悪質商法の被害はどれくらい?若い人も被害に遭っている
それでは、これらの悪質商法にはどれくらいの人が被害にあっているのでしょう。令和2年の「特定商取引等事犯」の被害人員は約1.5万人、被害額は約220億円となっています。相談件数は1万16件で、65歳以上からの相談が39.7%となっており、主に高齢者が被害を受けているようです。
一方で、「利殖勧誘事犯」の被害者は約6万人、被害額は約4400億円と「特定商取引等事犯」の被害額の20倍となっています。また、相談件数は1806件であり、件数自体は「特定商取引等事犯」の2割弱であることから、一人当たりの被害額が非常に高額であることがうかがえます。
このような被害に遭わないようにするには、一人ひとりが注意することが必要です。うまい話はすぐに信用せず、大きな落とし穴があると疑った方がいいですね。また、ひとりで判断せず、家族や相談機関に相談をしましょう。悪質業者は、言葉たくみにすぐ契約するように迫ってきますので、キッパリ断ることが大切です。
もし、被害にあってしまったときは、最寄りの警察署や都道府県の消費生活センターまたは市町村の消費生活センターに相談しましょう。
出典
※1:警視庁「霊感商法」
※2:行政独立法人国民生活センター 「災いが起こる」と言われて不安になって…開運商法のトラブル!
※3:警察庁 悪質商法の被害に遭わないために
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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