【賃金格差】部長、課長、係長はそれぞれどのくらい非役職者との賃金に差がある?
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月30日 3時0分
会社組織では役職によって賃金格差が存在していると考えられています。一般的なイメージとしては、最も高いのは会長や社長、最も低いのは一般社員でしょう。 もちろん、組織によって役職の種類や役割は異なるため、一概にはいえないのですが、この違いは公的な機関も把握して発表しています。 この記事では、会社員の役職者と非役職者の賃金とその格差について説明します。
役職間および性別間の格差
厚生労働省が発表している労働者の賃金に関する公的資料「賃金構造基本統計調査結果の概況」には「役職別にみた賃金」という項目があります。令和3年版では、一般労働者のうちで雇用期間の定めのない者について、役職別の賃金が以下のように示されています。
・男女を合わせた場合
部長級では57万7900円、課長級では 47万6300円、係長級になると36万7800円です。それぞれの役職間で約10万円ずつの開きがあるといえます。
・男性役職者のみの場合
部長級であれば58万5800円、課長級は48万4600円、係長級は37万6700円です。男女合わせた場合とほぼ同じで、それぞれの役職間で約10万円ずつの開きがみられます。
・女性役職者のみの場合
部長級は49万7200円、課長級は42万2100円、係長級は33万4700円となっています。役職者間の差額は、男女、または男性のみのグループと若干異なります。
女性役職者の場合は7万500円から8万700円の違いとなり、賃金格差が少なめです。全ての役職で男性役職者の方が1割以上高い格差が見られます。
役職者と非役職者との賃金格差
役職者の間の賃金格差をまとめると、部長級、課長級、係長級で月額10万円ほどの違いがあります。また、女性で同じ役職についていたとしても、男性より1割程度低めになっているのです。
これまで参考にしてきた「賃金構造基本統計調査結果の概況」の「役職別にみた賃金」の図表には、上記の役職者と非役職者を比較する項目もあります。以下で非役職者を100とした場合の男女合計、男性のみ、女性のみの数値を紹介します。
・部長級の場合
男女合計で208.3、男性のみで197.8、女性のみで199.8
・課長級
男女合計で171.7、男性のみで163.6、女性のみで169.6
・係長級
男女合計で132.6、男性のみで127.2、女性のみで134.5
このデータからは役職者と非役職者の間には、部長級で約2倍、課長級で約1.7倍、係長級で約1.3倍の賃金格差があることがわかります。
細かく見たときに興味深いのは、役職者と非役職者を比べた時に、女性役職者と非役職者のほうが格差が若干小さい点です。男女雇用機会均等法が1986年に施行されて30年以上がたち、雇用環境における平等の実現に近づいてきたといわれています。
このような女性をめぐる賃金格差の原因は能力差だけなのかどうか、今後の研究が待たれます。
会社で生きていくなら出世コースに乗りましょう
担当する業務とそれに伴う責任の大きさから考えて、役職者の賃金が非役職者より高いのは当然といえます。ただし、どのくらいの比率が適切なのかについては議論が分かれるところでしょう。
とはいえ、部長級と非役職者との比較では2倍の賃金格差があるので、単純計算で年収も2倍になります。会社組織で生きていきながら年収アップを目指すのであれば、出世を意識した行動をとることをおすすめします。
出典
厚生労働省 「令和3年賃金構造基本統計調査結果の概況」(9)役職別にみた賃金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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