配偶者控除ってなに? 配偶者の年収を抑えた方がよい理由とは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月30日 3時0分
所得税は、累進課税制度といって、所得が上がれば上がるほど税率も上がり、納めるべき税金も高くなる仕組みになっています。 逆に、所得を抑えれば所得税も安くなるでしょう。所得を抑えるために利用できる方法の1つが、配偶者控除です。 今回の記事では、配偶者控除について詳しく解説します。
配偶者がいれば受けられる「配偶者控除」
配偶者控除とは、一定の条件にあてはまる配偶者(妻、夫)がいる場合に受けられる所得控除のことです。
控除される額は、控除を受ける人の所得金額と配偶者の年齢によって異なります。関係を図表1でまとめました。
【図表1 控除額と所得金額の関係】
控除を受ける人の所得金額 | 一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 |
---|---|---|
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
出典:国税庁 No.1191 配偶者控除
なお、老人控除対象配偶者とは、70歳以上の配偶者のことです。
そして、下記の条件にあてはまる配偶者がいれば、配偶者控除が受けられます。
・配偶者であること
・納税者と生計を一緒にしていること
・年間の所得金額が48万円以下であること(給与収入103万円以下)
配偶者控除をすることで所得が減り、所得税額も抑えられます。条件に当てはまる配偶者がいるなら、年末調整や確定申告の際に忘れずに反映させましょう。
配偶者の年収を抑えた方がよい理由について
配偶者控除は、配偶者の所得金額が48万円以下(給与収入なら103万円以下)でないと受けられません。所得税を抑えたいなら、配偶者がパート・アルバイトをする際の年収には注意しなくてはいけないでしょう。住民税や社会保険料の観点からも気を配る必要があります。
具体的な内容について解説していくので、参考にしてみてください。
年収100万円を超えると住民税がかかる
国税庁「家族と税」によると、配偶者の年収が100万円を超えてしまうと、住民税が発生します。少し超えてしまっただけでも住民税が発生するので、住民税を払わないためには、必ず年収が100万円を下回るように調整しましょう。
ただし、市区町村によっては年収が100万円以下であっても住民税(均等割)がかかるケースもあります。自分が住んでいる場所ではどうなっているのか、一度扱いを確認しておきましょう。
年収106万円を超えると社会保険料がかかる
配偶者の年収が106万円を超える場合、社会保険への加入義務が発生するケースもあります。
厚生労働省「平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!」によると、パート、アルバイトであっても、社会保険への加入義務が発生する具体的な条件は下記のとおりです。
・正社員が501人以上の会社
・収入が月8万8000円以上
・雇用期間が1年以上
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
上記の条件にあてはまった場合は、必ず社会保険に加入しなくてはいけません。配偶者の勤務先の健康保険に被扶養者として加入し続けたい場合は、年収が106万円を超えないよう注意しましょう。
配偶者控除を利用する際の注意点
年末調整や確定申告の際に配偶者控除を利用するなら、配偶者の所得などの情報は正しく申請しましょう。所得税を安くしたいからといって、実際の所得より低く申請するのはやめてください。後々、過少申告加算税などのペナルティーが課されます。
また、配偶者控除を受けたい場合は、具体的な手続きについても下調べしておくのをおすすめします。給与所得者であれば、会社の年末調整時に扶養控除等申告書の提出を行うなど、具体的な手続きについて事前に把握しておきましょう。
配偶者控除を利用して所得税を抑えよう
一定の条件にあてはまる配偶者がいる場合、配偶者控除を利用すれば、所得税の負担が抑えられます。節税効果も見込めるため、忘れずに手続きしましょう。
ただし、自分のパートナーが本当に配偶者控除の対象となる配偶者であるのかを、慎重に見極める必要があります。事前に勤務先の担当部署や税務署に行き、確認しておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1191 配偶者控除
国税庁 家族と税
厚生労働省 平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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