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「公務員は老後が安泰」と言われる理由は?

ファイナンシャルフィールド / 2022年7月30日 12時30分

「公務員は老後が安泰」と言われる理由は?

公務員は一般の会社員より老後の生活が安泰だと言われます。老後の生活を支える収入は、主に退職金と年金です。公務員の老後が安泰だと言われるのも、会社員より退職金や年金の受給額が高いというイメージがあるためです。   では、実際に公務員は会社員より高い退職金や年金を受け取れるのでしょうか。今回は「公務員は老後が安泰」と言われる理由の真偽を探ってみます。

公務員は退職金をいくらもらえる?

まずは老後の生活を支える収入のひとつ、公務員の退職金について見てみましょう。内閣人事局が集計した「国家公務員退職手当実態調査」(令和2年度)によれば、国家公務員の常勤職員として定年を迎えた人が受け取れる退職金は、平均して約2142万円です。
 
国家公務員の退職金制度は法律によって定められており、地方公務員の場合も各自治体が定めた条例に基づいて支給されます。一方、一般の会社員の場合、退職金を支給するかどうかは法律で決められているわけではなく、各企業の裁量に委ねられています。
 
つまり、公務員の場合、勤続年数などの条件はあっても、ほぼ確実に退職金を受け取れるのに対して、一般の会社員の場合は、就職した企業によっては退職金自体を受け取ることができない場合もあるということです。
 
総務省統計局の「平成30年就労条件総合調査」によれば、退職給付制度を実施している企業の割合は全体で80.3%となっています。このように、確実に退職金を受け取れる公務員と、支給されない場合もある会社員の差は「公務員は老後が安泰」といわれるゆえんのひとつだといえます。
 

公務員は会社員より年金を多く受け取れる?

一方、公務員が受給する年金額はどうでしょうか。平成27年9月以前、公務員は一般の会社員とは異なる年金制度に組み込まれていました。一般の会社員が厚生年金に加入するのに対して、公務員は共済年金という、いわば公務員専用の年金制度に加入していたのです。
 
共済年金は厚生年金より保険料率などの分野で多くの優遇措置があり、かつてはこの共済年金の存在が「公務員の老後は安泰」という認識に拍車をかけていました。ただ、平成27年10月以降、共済年金制度は廃止され、公務員も一般の会社員と同じ厚生年金に組み込まれることになりました。
 
それまで公務員が受けていた優遇措置も廃止され、保険料率が引き上げられたり、職域部分が廃止されたりなど、一般の会社員と変わらない年金制度に一本化されたのです。この影響で、少なくとも年金に関しては、かつてほど「老後は安泰」といえる状況ではなくなっているのです。
 
とはいえ、共済年金が廃止される以前に加入していた公務員に関しては、年金の受給が始まるタイミングで共済年金に納めていた分の年金を受給することが可能です。また、年金の受給額は納める保険料によって決まるので、現役時代の収入が高ければ受け取れる年金額も高くなります。
 
そもそも公務員は一般的な会社員より平均的な収入が高いので、その分だけ年金の受給額も高額です。こうした事情があることから、共済年金が廃止されて以降も「公務員の老後は安泰だ」と言われているのです。
 

老後は安泰でも、公務員の将来は不透明かも

年金制度を始め、公務員を取り巻く環境は徐々に変化を見せています。特に年金に関しては、平成27年10月以降、公務員も会社員と同様の制度に一本化されたので、今の若手公務員が老後を迎える頃には必ずしも「公務員の老後は安泰」と言われる状況ではなくなっているかもしれません。
 
ただ、現状ではまだまだ安定していることは事実なので、しばらくは「公務員の老後は安泰」という状況が続くといえるでしょう。
 

出典

内閣官房 退職手当の支給状況
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査結果の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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