円安時の外貨建て金融商品と為替リスクを再確認してみよう
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月2日 7時20分
2022年に入ってから急速な円安が進んでおり、輸入物価の高騰など生活を圧迫する状況が続いています。今回は、投資環境としての外貨建て金融商品とその為替リスクにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
外貨建て金融商品とは
外貨建て金融商品とは、取引時の価格が米ドルやユーロなどの外貨で表示されている商品のことで、購入する場合には円から外貨に換えることになります。
円から外貨に換える際の外国為替取引は、為替レートで行われます。円から外貨に換える取引レートは“TTS”、外貨を円に換える取引レートは“TTB”といいます。ちなみに、為替レートを算出する基準となるものを仲値といい、それを“TTM”と呼びます。
具体的にどのような商品があるの?
さまざまな外貨建て金融商品がありますが、主なものは、1.外貨預金、2.外貨債券、3.外国株式、4.外国投資信託です。
1. 外貨預金
外貨で行う預金で、米ドルやユーロ以外のも豪ドル等もあります。基本的に円の預金と変わりませんが、定期預金の場合、原則的に中途解約はできません。また、預金保険制度の保護対象外となります。
課税に関しては、利息は利子所得ですが、為替差益は原則「雑所得」で総合課税の対象となり、為替差損による損失は損益通算できません。
2. 外貨債券
外国債券とは、債券の発行元、発行場所、通貨のいずれかが外国である債券のことで、通貨の違いによって分類されます。
【図表1】
3. 外国株式
外国株式は外国籍の会社が発行している株式で、外国株式の取引を行う場合は、あらかじめ証券会社で「外国証券取引口座」を開設しておかなければなりません。取引方法には図表2の3つがあります。
【図表2】
4. 外国投資信託
海外投資信託とは、外国の法律に基づいて設定された投資信託で、国内で販売されている外国投資信託の代表的なものは「外貨建てMMF」です。「外貨建てMMF」の特徴は、投資対象は外貨建ての公社債や短期金融商品で株式の組み入れはありません。
また、売買手数料は無料でいつでもペナルティーなしで解約できます。課税に関しては、利息に相当する収益分配金は利子所得ですが、為替差益を含む譲渡差益は「譲渡所得」で申告分離課税となります。
為替リスクとは
為替リスクとは、円と外貨を両替する場合の為替レートの変動のことです。外貨建ての金融商品を購入したときの為替レートにより、売却したときの為替レートが円安になっていると為替差益(利益)が、円高になっていると為替差損(損失)が発生します。図にすると図表3のようになります。
【図表3】
為替に注意が必要
日本と海外の金利差は大きく、広告などで見る外貨預金の利息は魅力的に感じるかもしれません。また、証券市場も海外株のほうが国内株の上昇率を上回っています。今は円安ですので、利息やキャピタルゲインに加えて為替差益も得ることが可能ですが、今後為替相場がどうなるのかは分かりません。
せっかく外貨預金や海外株の上昇で利益が出ても、購入時より円高に進めば、元本割れとなる場合もあり得ます。
投資は自己責任ですので、投資の三原則である「長期・分散・積立」の「分散」、ここでいうところの「地域の分散」も考えなければいけませんね。
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
資産形成のため「外貨預金」を検討中の50代です。利益が出たら”外貨でも”税金の申告は必要ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月17日 10時0分
-
ウィブル証券が特許出願中の『Moneybull』サービスを開始、4.8%の利回り(※1)を提供
PR TIMES / 2024年9月6日 20時40分
-
円安でも外国債券に投資をしてもいい? 購入する際の考え方と注意点
MONEYPLUS / 2024年9月5日 11時30分
-
"火事確率40%"ならみな保険に入る…お金のプロが円の紙くず化に備え「貯金が少ない人こそ買え」という商品名
プレジデントオンライン / 2024年9月3日 16時15分
-
円高で「S&P500」や「オルカン」ってNGなんですか? NISAでこの2つをメインにしていたのですが、急に1ドル「160→140円台」になり驚きました。今後どうすれば良いでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月1日 4時40分
ランキング
-
1「コンビニは高い」払拭目指すセブン-イレブン 松竹梅の“梅”重点強化
食品新聞 / 2024年9月20日 9時57分
-
2漁業関係者、「ぬか喜びにならなければ」=歓迎も中国側の手のひら返し警戒
時事通信 / 2024年9月20日 20時55分
-
3ほっかほっか亭「コラボ依頼して賛否」への違和感 日清食品「10分どん兵衛」の成功例に倣えるか
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 15時20分
-
4ミニストップ、外国籍の利用客に“不適切な張り紙” 「問題を重く受け止め」謝罪
ORICON NEWS / 2024年9月20日 15時53分
-
5“推しスーパー”投票 総合1位は「ヤオコー」 魚部門、品揃え部門、サービス部門も決定 それぞれの特色も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月20日 22時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください