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チャートシナリオの描き方。「日経平均株価指数 シナリオ2」

ファイナンシャルフィールド / 2022年8月4日 22時10分

チャートシナリオの描き方。「日経平均株価指数 シナリオ2」

前回は、日経平均株価指数のチャートを用い、シナリオの描き方を見てきました。長期的には下降局面のなかにあるだろうというのが、前回お伝えした「シナリオ1」で想定する考え方ですが、このシナリオが崩れる場合も想定し、相場に向き合っていく必要があります。   今回は、自分の描いたシナリオが崩れる場合も見越し、別のシナリオも想定しておくことの重要性について考えていきたいと思います。

シナリオ1のイメージ

前回の「シナリオ1」は、以下のようなイメージです。「日経平均株価指数は、長期的には依然として下降局面のなかにあり、下値を模索する段階にあるであろう」というのが「シナリオ1」の考え方です。
 
図表1
〇日経平均株価指数(日足)
 

 
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています

しかし、このシナリオが必ずしも現実のものとなるとはかぎりません。シナリオはあくまでも想定であり、むしろ、シナリオどおりにならないほうが多いと考えておく必要があります。そのため、「シナリオ1」が崩れる場合も念頭に置き、もう一つ別のシナリオを描いておきます。
 
「シナリオ1」は、どちらかというとネガティブシナリオでしたが、もう一つのシナリオを「シナリオ2」とするならば、こちらはポジティブシナリオという位置付けで考えていきます。
 

シナリオ1が崩れる場合の条件

仮に「シナリオ1」をメインとするなら、このシナリオが崩れる場合、どのような条件であるかを考えます。この点についてチャートで見ていきましょう。
 
図表2
〇日経平均株価指数(日足)
 

 
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています
 
端的にいうと「シナリオ1」が崩れる条件は、チャートにおける三角形(修正「A波」完成以降の上値のトレンドラインと下値のトレンドラインで形作られる三角形)を上に突破し、さらに「第V波」の終点をも超えていく場合です。チャートでは黒の矢印のようなイメージですが、仮にこのようになった場合、波動の取り方を変えて「シナリオ2」を採用していくことになります。
 

シナリオ2のイメージ

「シナリオ2」では、「シナリオ1」と波の取り方を変えていきます。考え方としては「コロナ相場における上昇相場はまだ終わっていない」とし、「シナリオ1」で「第V波」の終点であった地点を「第V波」の「第3波」として、2022年3月安値を「第V波」の「第4波」、そして現在進行中の波を「第V波」の「第5波」と位置付けていきます。
 
図表3
〇日経平均株価指数(日足)
 

 
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています
 
「シナリオ2」については、「シナリオ1」が崩れるのを待って発動していくことになるため、「シナリオ2」の作成時点では上値のめどの計測は行いません。ただし、「シナリオ2」はポジティブなシナリオとしてイメージするまでにとどめておきます。
 

シナリオ3のイメージ

しかしながら、日経平均株価指数においては「シナリオ2」と「シナリオ1」の間に、もう一つ別のシナリオを用意しておくという考え方もあります。それを仮に「シナリオ3」とした場合、以下のようにイメージできるかもしれません。
 
図表4
〇日経平均株価指数(日足)
 

 
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています
 
このシナリオについての説明は省きますが、イメージ的にはネガティブとポジティブの間にあるシナリオという考え方です。
 

まとめ

チャートのシナリオは、描こうと思えば無数に描くことができます。特に長期的であればあるほど、そのシナリオは無数に存在するでしょう。このように聞くと、シナリオを描く意味はないように思うかもしれませんが、遠い先の将来に比べて近い未来を想定するのはそう難しくないことは、日常生活を営んでいても理解できるかと思います。
 
人生において右肩上がりであれば、何事もあまり深く考える必要はないでしょう。しかし、右肩下がりになるのであれば、あらかじめマイナスとなるリスク(不確実性)を想定し、事前に対応策を検討しておく必要があります。投資においても同じで、仮に長期投資をするならば、長期の不確実性に備えるために短期投資や中期投資の下、リスクヘッジをしていくことが重要といえます。
 
投資で重要なのは臨機応変に対応する姿勢です。つまり、分散投資のもと、リスクヘッジをいかに図っていくかが問われているのが投資というゲーム(競技・試合などの意)です。そして、それをサポートするのがシナリオの作成であり、長く繰り返し行っていくことで投資の実力は向上していきます。
 
今回はメインシナリオだけではなく、サブシナリオも描いておくことの重要性についてお伝えしました。シナリオの作成自体、投資初心者のうちは非常に難しく、煩わしいと感じるかもしれませんが、これまでお伝えしたテクニカル分析の手法を参考に自分なりのシナリオを作成できるようになると、より一層、投資が面白いと感じられるようになるかもしれません。
 
次回からは、投資の実践について、より複合的な視点で解説していきたいと思います。
 

出典

TradingView Inc. TradingView
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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