60%の人が税負担を感じている! 所得を上げるために活用できる税制優遇制度とは
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月4日 23時20分
東京都税制調査会の「平成28年度委託調査」によると、日本の国民所得に占める租税負担の割合は他の経済協力開発機構(OECD)諸国(日米を含めた38の先進国)と比較して低い水準であるという結果です。一方で、中間層の税負担について「高すぎる」「あまりに高すぎる」と感じている人が60%を超えていることも分かりました。 この税負担を少しでも軽減できるように、この記事では税制優遇制度について解説します。
可処分所得を上げるために抑えたいポイント
税金の負担を感じるとは、所得に対して納税する金額が大きすぎるという意味合いが強いのではないでしょうか。例えば、給与が上がっても手取りが増えたように感じないのは、給与が上がったことで差し引かれる税金も大きくなるからです。
日本の所得税は累進課税制度を導入しており、所得が増えれば所得税も増えるという仕組みです。そのため、せっかく給料が上がっても実感がわかない状態になるといえます。
当てはまる所得控除は漏れなく申告しよう
上記の仕組みから、いかにして「手取り」の部分を残すかがポイントになります。なお、手取りは可処分所得ともいいます。可処分所得を上げるには、所得控除をしっかり申告することが原則です。主な所得控除には次のようなものがあります。
●医療費控除
●社会保険料控除
●生命保険料控除
●小規模企業共済等掛金控除(例:iDeCo)
●寄附金控除(例:ふるさと納税)
●扶養控除
●配偶者控除、配偶者特別控除
このなかでも医療費控除や生命保険料控除は、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。また、配偶者に対する控除も世帯全体への税負担を軽減するためには抑えたいポイントです。
iDeCoとふるさと納税は税制優遇制度の代表
所得控除のうち、可処分所得を増やせる税制優遇制度でありながら他のメリットがある制度もあります。ひとつは、「小規模企業共済等掛金控除」です。老後資金対策として行うiDeCo(個人型確定拠出年金)の運用期間中の掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となります。これは老後資金の形成もしながら、税制優遇も受けられるお得な制度です。
また、ふるさと納税は、寄附金控除の制度を利用しています。自己負担額2000円を超えた部分の寄附額が、所得税および個人住民税からそれぞれ控除されます。
事前にシミュレーションを行い税制優遇について理解を深めよう
iDeCoを始めることでどれくらい税制優遇の効果があるのかについては、国民年金基金連合会によるiDeCo公式サイト内にてシミュレーションが可能です。自身の年収などいくつかの項目を入力することで、税制優遇の効果が分かります。
ふるさと納税に関しても同様で、各ふるさと納税サイトでは必ず「限度額シミュレーション」が設けられています。自身の年収や寄附金控除以外の所得控除などを入力することで、どれくらいの税制優遇効果があるかなどが分かります。
より効果的に税制優遇制度を活用するために、事前にシミュレーションを行うことをおすすめします。
まとめ
税金のことは難しいと考えてしまいがちですが、実際は身近に実践できる税制優遇制度もあります。会社員など給与所得者は毎年の年末調整時に、個人事業主などは確定申告時に、自身が該当する所得控除は漏れなく申告しましょう。また、iDeCoやふるさと納税なども積極的に検討し、事前シミュレーションを利用しながらより効果的に税制優遇制度を活用していくとよいでしょう。
出典
東京都主税局 平成28年度委託調査 租税に対する国民意識と税への理解を深める取組に関する国際比較調査・分析等委託報告書概要
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーション
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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