【お金があれば幸せ?】みんなの「幸せに関する価値観」と「お金」の関係って?
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月6日 10時40分
お金があれば誰もが幸せな人生が送れるのでしょうか。お金が十分にあれば衣食住にも困らず、教育も受けられ、自分の趣味等好きなことにも取り組めますよね。 株式会社お金のデザインが実施した「『お金』と『人生』に関する意識調査(※1)」の結果から、お金や幸せについて、みんなはどう考えているのか見ていきましょう。
すべての年代で「自分らしく過ごせる人生」が幸せと回答
「幸せな人生」について、自身の考えに近いものを聞いたところ、「自分らしく過ごせる人生」が20代〜70代までのすべての世代で1位となりました。2位は、30代〜50代では「お金に不自由しない人生」、20代、60代〜70代では「自分の興味、関心に取り組める人生」となりました。
3位は、20代〜40代は「自分の大切な人と過ごせる人生」、50代は「自分の興味、関心に取り組める人生」、60代〜70代は「お金に不自由しない人生」となりました。
自身の考える「人生においてのお金」のイメージを聞くと、20代と60代では「大切な人や物、自分を守るために必要なもの」、30代〜60代では「生活をしていくために必要なもの」がトップとなりました。
ウクライナ侵攻で、幸せに関する価値観は、「お金に心配ない生活」から「変わらない日常を送れる」にシフト
今年の2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、多くの一般市民が犠牲となり、報道を見て心を痛めている人も多いでしょう。そこで、ウクライナ情勢をきっかけに、「幸せに関する価値観」は変わったかと尋ねたところ、「変わった」という人は48.8%、「変わらない」という人は48.7%で、ほぼ同じとなりました。
年代別に見ると、年代が上がるにつれて幸せの価値観が「変わった」という人の割合は高くなり、70代以上では60.8%にのぼりました。
ウクライナ情勢以前の「幸せに関する価値観」として重視していたことは、「お金に心配のない生活が送れる」(57.6%)、「プライベートが充実している」 (57.2%)が上位となっていましたが、ウクライナ情勢以降ではお金よりも「変わらない日常を過ごせる」が78.9%と、以前の46.0%から大きく伸びて1位となりました。
将来、日本の給与水準は下がると予想する人が多い
日本の実質賃金指数は1995年を100とすると、2016年に89.7まで下がっています。一方、欧米諸国は上がっており、スウェーデンでは138.4、アメリカでも115.3と上がっています(※2)。
図表1
全国労働組合総連合全労連 実質賃金指数の推移の国際比較(1997年=100)
OECDによると、2021年の日本の年間平均賃金は40.8K ドルで、当時のレートを1ドル110円とすると、448.8万円になります。OECDの平均52.4Kドル(576.4万円)より低く、2016年当時のOECD加盟国34カ国の中でも24位と下位となっています。
OECD 平均賃金 (Average wage)
このように日本人の給与水準は20年近く上がっておらず、また金額も世界において決して高いとは言えない状況です。
そこで、将来、日本人の給与水準はどう変化すると思うか尋ねたところ、「上がる」と回答した人は16.9%にとどまり、「下がる」が41.9%となりました。若い世代ほど「下がる」と回答した割合が高く、20代では54.1%と半数を超えました。
一方、70代以上では「下がる」は25.2%、「上がる」が29.2%と、全世代の中で唯一「上がる」の方が割合が高くなっています。
将来、日本人の給与水準が「下がる」と回答した人にその理由を聞くと、「経済成長率の影響」(67.9%)で最も多く、「人口動態の変化による影響」(60.2%)を挙げる人が多いようです。少子高齢化で働き手が今後減ることは明らかであり、経済成長が鈍化する可能性があります。
ウクライナ情勢はまだ終息の目処がたっておらず、日々平和に暮らし、変わらない日常が送れることがいかに大切であるかがわかります。とはいえ、お金もやっぱり大切です。日本人の給与水準が他の先進国並みに上がるような政策を期待します。
出典
※1:株式会社お金のデザイン 「お金」と「人生」に関する意識調査
※2:全国労働組合総連合 実質賃金指数の推移の国際比較(1997年=100)
※3:OECD 平均賃金 (Average wage)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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