日本の「お酒」は海外で人気? 日本産酒類の輸出金額・主な輸出国をご紹介!
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月6日 10時30分
海外における日本文化への関心の高まりは、ますます勢いを増している感があります。日本食やアニメ、ゲームなどの人気に続き、2015年頃からは日本産の酒人気にも火が付き始め、輸出量は年々増加しています。 本記事では、日本産酒類には具体的にどのような種類があり、その輸出金額はどのくらいなのか、また主な輸出国などについて紹介します。
日本産酒類の精製数量の状況は?
日本で造られている酒というと日本酒のイメージが強いかもしれませんが、当然ながらそれ以外の酒も生産されていますし、輸出もされています。
2020年の日本の酒の精製数量(製造場で造られた酒の数量のこと)は、742.1万キロリットルです。最も多かったのがリキュールで256.8万キロリットル、次いでビール183.9万キロリットル、スピリッツ95.2万キロリットル、発泡酒39.1万キロリットルと続きます。
日本産酒類の精製数量は1999年の958.5万キロリットルをピークに減少傾向にあり、2020年も前年より46.1万キロリットル減少しています。そのような中で、輸出量は右肩上がりに増え続け、2021年の輸出量は前年比34%増の約15.3万キロリットルになっています。
日本産酒類の輸出状況は?
日本産酒類の精製量が減少傾向にある一方で、輸出はこの10年で年々増加を続けています。品目としてはワイン、焼酎、ジン・ウォッカ、ビール、リキュール、清酒、ウイスキーなどになります。いずれも2021年の輸出金額は対前年比プラスとなっていて、全体では対前年同期61.4%増の1146億6762万円となり、初の1000億円台を突破、数量は34%増でした。
中でも、ウイスキーと清酒の伸びが顕著で、海外市場においてこれらを中心に高級酒需要が高まっていることがうかがえます。
背景には、2013年に日本の「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産に登録されたこと、これに伴い、日本食を提供する居酒屋やレストランが増加し、食事に合わせたアルコールとして日本酒が選択されるようになったこと、農林水産省をはじめ政府が輸出促進に注力し始めたことなどがあります。
日本産酒類の輸出先は?
日本産酒類の主な輸出先は、中国、アメリカ、香港、シンガポール、台湾、韓国、オーストラリア、カナダ、マカオ、フランスです。このうち、中国は輸出量で726万8421リットルと、882万6392リットルのアメリカより少ないものの、金額では102億7921万3000円と95億9139万2000円のアメリカを上回り、国別輸出実績のトップになりました。
中国の富裕層の購買力は健在なようで、ウイスキーや日本酒(清酒)も高額なものに人気が集まる傾向があるようです。
金額、数量ともにアジア向けの輸出が8割を超えています。経済成長を背景に外食機会が増えていることも要因の1つと考えられますが、特に中国の富裕層の間では食の安全への関心が強く、メイド・イン・ジャパンの品質に絶大な信頼が置かれていることも要因といえるでしょう。
日本酒だけじゃない!日本の酒は海外で大人気!
日本の酒は日本酒に限らず、ウイスキー、焼酎、ワインを含めて海外では高い人気を誇っています。国内では精製量が伸び悩んでいるものの、輸出量、金額ともに右肩上がりの増加傾向です。
コロナ禍による景気減退が懸念材料になりますが、2021年の実績ではコロナによる影響は感じられず、輸出金額は過去最高を更新しています。今後さらなる輸出増加が期待されており、日本の酒は重要な輸出品になるのは間違いなさそうです。
出典
国税庁 最近の日本産酒類の輸出動向について
名古屋税関 調査部調査統計課貿易統計特集
国税庁課税部 酒税課酒のしおり
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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