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【支援拡充が急務】3歳未満児の保護者が子育てで「孤独感」コロナ禍の影響

ファイナンシャルフィールド / 2022年8月9日 3時0分

【支援拡充が急務】3歳未満児の保護者が子育てで「孤独感」コロナ禍の影響

2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化によって保護者の経済的な負担が減りました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、少子化は進んでいます。それでは、自治体職員はどのような子育て支援が必要だと考えているのでしょうか。   ここでは、さまざまな調査結果を踏まえながら、今後必要となる子育て支援について解説していきます。

地域子育て支援拠点事業に力を入れる自治体が最多

保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香が2022年5月に子育て支援業務に携わる自治体職員を対象に意識調査を行ったところ、自治体として力を入れて行っている子育て支援業務として最も多かったのは地域子育て支援拠点事業(40.6%)で、次いでファミリー・サポート・センター事業(28.7%)、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)(27.7%)となりました。
 
地域子育て支援拠点とは、0歳~2歳までの乳幼児とその保護者が利用できる交流スペースのことです。
 
厚生労働省によると、2021年4月時点で保育園に通う0歳~2歳児は40.3%で、0歳~2歳児の6割近くが保育園に通っていません。また、待機児童数は減っているものの、その87.6%が0歳~2歳児です。幼保無償化によって3歳~5歳児の保育料負担は減りましたが、0歳~2歳児については住民税非課税世帯を除き、保育料がかかります。
 
子育ては周囲と孤立しがちで、保護者の不安も大きいことから、保護者どうしが交流できる場を提供することが求められているのです。地域子育て支援事業については、今後も力を入れていくと答えた職員が40.2%にのぼりました。
 

0歳~2歳児の親の支援が必要

日本総合研究所が2022年3月に公表した調査結果によると、幼保無償化の対象となった保護者の約8割が経済的な負担が減ったと答えていて、無償化によって早期に保育園や幼稚園に通わせると答えた保護者も約2割いました。一方、保育園や幼稚園などの施設側も7割ほどが保護者の負担軽減につながったことを認識していて、4割ほどが制度を肯定的にとらえています。
 
一方、0歳~2歳児に関しては多くの家庭が無償化とはならず、家庭で子育てをしているところが多いです。妊娠・出産・育児に関するサイトを運営する株式会社ベビーカレンダーが2021年9月に公表した調査結果によると、子育てに孤独を感じたことがある母親は全体の6割にのぼり、「孤独を感じる」と考えている母親のうち、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べて、子育てに孤独を感じるようになった母親は7割以上となりました。
 
調査からは、新型コロナウイルス感染症の影響で家族の在宅時間が増えたことで、収入は減る一方、家事の負担が増え、自由時間が減ったと考えていることが浮き彫りになってきました。3歳~5歳児の保育料の負担は減っているものの、0歳~2歳児を育てる保護者の孤立防止が課題となっていることがわかります。
 

無償化の対象とならない子育て世帯の孤立防止が課題

複数の調査から、幼保無償化によって家計の負担が減った反面、孤独を抱えている保護者がいることが浮き彫りになりました。
 
0歳~2歳児の多くは家庭で保育されていて、新型コロナウイルス感染症の影響も相まって孤独や不安を感じる保護者が増えています。自治体でも地域子育て支援事業に積極的に取り組もうとしているところが多いですが、0歳~2歳児を育てる保護者の孤立防止は、今後も引き続き大きな課題となるでしょう。
 

出典

PR TIMES 【2025年までに女性の就業率82%に向けた取り組みとは】自治体職員が注力する子育て支援施策、「地域子育て支援拠点事業」が40.6%で最多
日本総合研究所 幼児教育・保育の無償化の効果等の把握に関する調査研究報告書

内閣府 幼児教育・保育の無償化について(日本語)
厚生労働省 地域子育て支援事業
厚生労働省 「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」を公表します

株式会社ベビーカレンダー 『孤育て』に関する調査結果

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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