【知らなかった!】世界の年金制度ってどんなもの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月18日 12時0分
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日本には公的年金があります。わが国の公的年金は、年金支給のために必要な財源を、その時々の現役世代が支払う保険料収入から用意する方式で運営されています。公的年金制度を採用しているのは日本だけではありません。ドイツ、英国、フランス、米国、スウェーデンといった主な先進国にも公的年金はあります。 では、日本の制度とどこが違うのでしょうか。意外と知られていない世界各国の公的年金制度を紹介します。
日本と世界5カ国における公的年金制度を比較
日本と世界各国の公的年金制度はどこが違うのでしょうか。それを知るために、日本と厚生労働省の「主要国の年金制度の国際比較」が示す世界5カ国の制度を比較することにしました。
なお、比較するのは(1)被保険者(2)保険料率(3)支給開始年齢(4)最低加入期間(5)財政方式の5点です。
・日本
(1)全居住者
(2)国民年金は月額1万6590円(令和4年度)の定額制。厚生年金は18.3%を労使で折半
(3)国民年金(基礎年金)・厚生年金ともに原則65歳
(4)10年
(5)賦課方式
・ドイツ
(1)居住している被用者は原則加入
(2)18.6%(労使折半)
(3)65歳11ヶ月。2029年までに67歳への引き上げを予定
(4)5年
(5)賦課方式
・英国
(1)一定以上の所得のある被用者
(2)25.8%。本人(12.0%)と事業主(13.8%)が負担
(3)66歳。2028年までに67歳、2046年までに68歳への引き上げを予定
(4)10年
(5)賦課方式
・フランス
(1)無業者を除く居住者は原則加入
(2)17.75%。本人(7.30%)と事業主(10.45%)が負担
(3)満額拠出期間を満たす場合は62歳、満たさない場合は67歳
(4)なし
(5)賦課方式
・米国
(1)無業者を除く居住者は原則加入
(2)12.4%(労使折半)
(3)66歳。2027年までに67歳への引き上げを予定
(4)40四半期(10年に相当)
(5)賦課方式
・スウェーデン
(1)一定以上の所得のある居住者
(2)17.21%。本人(7.0%)と事業主(10.21%)が負担
(3)62歳以降に本人が選択。2026年までに64歳への引き上げを予定
(4)なし
(5)原則賦課方式(プレミアム年金は積立方式)
日本と世界5カ国における公的年金制度の特徴
日本を含めた世界各国の公的年金制度には、それぞれ特徴があります。
・日本の特徴
日本の公的年金には、国民年金と厚生年金の2階建て方式という特徴があります。また、無業者も含めて20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民皆年金」というシステムも、他の5カ国には見られない特徴です。
・ドイツの特徴
ドイツでは職業によって加入する年金が異なります。また、学生、主婦・主夫、無業者は公的年金に加入義務はありませんが、16歳以上であれば一般被用者年金に任意加入できます。
・英国の特徴
英国では、公的年金の保険料は年金以外の社会保障給付にも充当されています。また、低所得の高齢者を対象とした公的年金の補完制度(年金クレジット)が設けられています。
・フランスの特徴
フランスの公的年金は、職業によって4種類の年金に分類されています。また、保険料率は所得などによって変化する場合があります。
・米国の特徴
米国の公的年金は、会社員や公務員の他に年収400ドル以上の自営業者も強制加入となります。一方、年収が400ドル未満の自営業者、専業主婦・主夫、学生、無業者は公的年金に加入できません。
・スウェーデンの特徴
スウェーデンの公的年金は、賦課方式の所得比例年金と積立式のプレミアム年金のセットになっています。また、最低保障年金が設けられている点が最大の特徴で、所得比例年金の額が最低保障額を下回った場合には、その差額分が税金から支給されます。
日本の課題を解決するためにも世界各国の制度を参考にしよう
世界各国の公的年金制度にはそれぞれ特徴があります。日本の制度と共通している部分もありますが、異なる部分も少なくありません。また、世界には社会情勢の変化に応じた制度設計の変更をおこなっている国がありますし、課題解決のための議論も活発です。
もちろん、日本の公的年金制度も少子高齢化時代への対応という大きな課題を抱えています。大切な公的年金を破綻させないためにも、世界各国の制度も参考にした国民的議論が必要かもしれません。
出典
厚生労働省 海外の年金制度
厚生労働省 主要国の年金制度の国際比較
厚生労働省 教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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