老後に受け取れる公的年金や私的年金について、いま一度おさらいしよう
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月19日 23時10分
![老後に受け取れる公的年金や私的年金について、いま一度おさらいしよう](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_155581_0-small.jpg)
年金保険料を納めておくことで、将来、老後の生活を支える年金を受け取ることができます。 老後の年金には、公的年金である老齢基礎年金と老齢厚生年金、さらに受け取る年金を増やせるiDeCoなどの私的年金があります。 今回はこれら公的年金や私的年金について、おさらいします。
公的年金
日本の公的年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、加入する年金の種類は職業などによって決まります。
国民年金には自営業やフリーランス、学生などが加入し、厚生年金には会社員や公務員が加入します。
厚生年金に加入する場合は、自動的に国民年金にも加入する仕組みになっているため、会社員などの年金制度は2階建てと呼ばれます。
国民年金
国民年金は、20~60歳未満の日本に住むすべての人に加入が義務付けられており、10年以上の保険料納付期間など受給要件を満たせば、老齢基礎年金の受給資格が得られます。
満額の老齢基礎年金(2022年度価額・77万7800円/年)を受け取れるのは、40年間年金保険料を納めた場合です。
老齢基礎年金は、原則65歳からの受給です。年金を受け取りたい年齢が個々人でさまざまであることから、老齢基礎年金には、繰上げ受給と繰下げ受給の制度があります。
繰上げ受給は、受給開始時期を1ヶ月単位で最大5年間早めることができる制度です。1ヶ月早めるごとに、受け取れる金額は0.4%減額されます。
繰下げ受給は、66歳以降、受給開始時期を1ヶ月単位で最大10年間遅らせることができる制度です(2022年3月までは最大5年間でしたが、2022年4月より最大10年間に延長されました)。
1ヶ月遅らせるごとに、受け取れる金額は0.7%増額されます。例えば10年間遅らせた場合は、0.7%×12月×10年=84%の増額となり、倍近い184%の年金を受け取ることができます。
厚生年金
老齢厚生年金については、老齢基礎年金の受給資格があることに加え、厚生年金の加入が1月以上あることが受給の要件です。
現在の法律では、老齢厚生年金は老齢基礎年金と同じく65歳から受け取ることができます。
なお、1985(昭和60)年の年金改正前の法律では、厚生年金の受給が60歳からであったため、受給開始年齢は段階的に60歳から65歳に引き上げられており、年齢や性別により受け取り開始年齢が異なっています。
老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた月数と加入中の給与額や賞与額で計算される「報酬比例部分」と、給与や賞与額に関係なく厚生年金に加入していた期間で計算される「定額部分」で構成されています。
老齢厚生年金の受給額は、働いた期間や受け取った給与と賞与により、1人ひとり金額が異なります。
また、2022年10月から、パートタイマーなどの短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大が実施されるため、勤め先の規模によっては、10月から新たに社会保険の加入者となる場合もあります。
私的年金
私的年金にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは、個人型確定拠出年金のiDeCoです。
iDeCoは誰でも加入できる任意の私的年金であるため、加入するかしないかだけでなく、運用方法も自分で決めることができます。
老後に自分が受け取る年金額を増やすことができ、掛け金が所得控除の対象となるため、所得税と住民税を減らせるなど多くのメリットがあります。
なお、2022(令和4)年4月までは、iDeCoに加入できる年齢は60歳未満でしたが、法改正により、2022年5月から65歳未満まで加入できるようになりました。
まとめ
老後の年金には、公的年金の老齢基礎年金と老齢厚生年金、さらにiDeCoなどの私的年金があります。
自分が将来いくらぐらい年金を受給できるのかは、毎年誕生日の前後に送られてくる「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」で確認してみましょう。
もしも受給額が少ないと感じられたなら、iDeCoなどの私的年金に加入することを検討してもよいかもしれません。
出典
日本年金機構 老齢年金
日本年金機構 大切なお知らせ「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 ねんきんネットとは?
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
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