年金の「繰上げ」と「繰下げ」お得なのはどっち?
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月19日 11時20分
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公的年金は、受給資格があり65歳になると受け取ることができます。しかし、場合によっては65歳よりも早く受け取ることや66歳以降に受け取ることも可能です。 65歳よりも早く受け取ることを繰上げ、66歳以降に受け取ることを繰下げと言います。
公的年金の基礎知識
公的年金は老齢基礎年金、老齢厚生年金、遺族年金、障害年金などの種類があります。これらの年金の中で繰上げ受給と繰下げ受給が可能なのは老齢基礎年金と老齢厚生年金です。
老齢基礎年金
受給資格を満たしていれば、65歳になると受け取ることができる公的年金です。受給資格は、国民年金に加入していることと、受給資格期間が10年以上あることとなっています。
受給資格期間は国民年金に加入している期間のことで、免除期間も含めた合計加入期間のことです。平成29年7月までは原則25年以上の加入期間が必要でしたが、平成29年8月以降は10年以上に期間が短縮されました。
老齢厚生年金
受給資格を満たし、さらに厚生年金に加入している期間がある人が65歳になると受け取ることができる公的年金です。生年月日によっては受給開始年齢が引き上げられるので、確認してみてください。
年金は早くもらった方がいい?それとも遅い方が得?
繰上げ受給
通常よりも早く受け取ることができますので、その分支給される年金額は減額されます。年金制度が改定されましたので、令和4年4月以降は減額率が変わりました。具体的には、60歳になる人を対象に請求した月から1ヶ月当たり0.4%減額になります。
例えば、60歳になる人が請求しますと、24%が減額されますので満額の76%分の年金額が支給されることになります。減額された年金額が一生涯続くので、受け取る期間が長くなりますと受け取れる公的年金の総額は繰上げせずに受給した場合よりも低くなる可能性があります。
繰下げ受給
受け取る期間を後回しにした分、年金額が増額されます。繰下げ受給についても年金制度の改定があり、令和4年4月までは70歳が繰下げの上限でしたが、令和4年4月以降は75歳まで繰下げて受給することができるようになりました。上限の75歳まで繰下げると、年金額の184%が増額されます。
繰上げ受給と繰下げ受給の注意点
人生何が起きるかわからないので早めに年金をもらいたい、という人は繰上げ受給の選択も考えられると思います。また、すぐに年金は必要ないし年金額を少しでも増やしたい、という人は繰下げ受給を検討しても良いかもしれません。しかし、繰上げ受給と繰下げ受給には良い点もありますが、注意点もあります。
繰上げ受給の注意点
繰上げ受給をした場合、受給が開始すると途中で変更することができず、減額された支給率が一生涯続きます。また、65歳になるまでの間は繰上げ受給の公的年金と遺族厚生年金はどちらか一方しか受け取ることができないようになっています。どちらを受け取る方が良いかは人によって異なりますので、年金事務所などで専門家に相談してみてください。
請求後、障害状態になった場合も、障害年金を受け取れないこともあります。この点も考慮して繰上げ受給をするかを選択したいところです。繰上げ受給は65歳になる前に公的年金を受け取ることができますが、上記の注意点がありますので、選択するかは慎重に決める必要があります。
繰下げ受給の注意点
繰下げ受給を選択した場合、繰下げて受け取るまでの間は、加給年金(老齢基礎年金を繰下げる場合は振替加算)が支給されなくなってしまいます。受給が開始すると支給されるようになりますが、この部分については増額もされません。
また、繰下げ待機中に遺族年金や障害年金の受給権が発生した場合は、発生した月から繰下げをするか、65歳からさかのぼって受け取るかの選択をすることになります。繰下げ受給は年金額を増額させることができますが、上記の注意点を考慮したうえで、慎重に選んでください。
1人で悩まないようにしましょう
年金制度は身近な制度ですが、ややこしいと感じている人も多いと思います。また、令和4年も改定がありましたが、年金制度は改定することも多いです。そのため、さらにややこしく感じてしまうかもしれません。そのような場合は、お近くの年金事務所に相談することをお勧めします。
年金の支給額やどの受け取り方が良いかは人によって大きく異なっていますので、専門家の意見を参考にして決めていきましょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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