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子どもが線路に置き石! 鉄道輸送がストップ…賠償金は幾ら請求される? 回避策はある?

ファイナンシャルフィールド / 2022年8月21日 0時10分

子どもが線路に置き石! 鉄道輸送がストップ…賠償金は幾ら請求される? 回避策はある?

子どもがイタズラの一環で線路に置き石をする、という事件が時折発生しています。   それによって電車がストップしてしまった場合、保護者に損害賠償が請求されることはあるのでしょうか。また、そうならないための回避策はあるのでしょうか。

子どもが線路に置き石をすると、損害賠償は請求される?

法律論的には、子どもの置き石によって電車が止まり、鉄道による輸送網がストップしてしまうと、その子どもの保護者に損害賠償請求がされる可能性があります。
 
民法においては「故意や過失によって他人に損害を与えた場合は、損害賠償責任を負う」と規定されています。線路への置き石で事故などになった場合、これはまさに故意によるものとなるため、損害が生じた鉄道事業者から、置き石を行った子どもに損害賠償請求がいくのです。
 
しかし、子どもに責任能力がない場合(おおむね12~13歳未満)や責任能力があっても保護者がしっかり子どもを監督していないなど保護者に監督義務違反がある場合、子に代わって保護者が損害賠償責任を負うことになります。
 

損害賠償の金額はどれくらいになるのか

置き石が原因で電車が止まった場合の損害賠償の金額は、なかなか表に出てきません。東京都市町村民交通災害共済によれば、一般的には数百万円程度になるようです。
 
しかし、電車が脱線するなど被害が大きければ、1000万円近い金額が請求されることもあるようです。1980年、中学生の置き石によって起きた「京阪電気鉄道置石脱線事故」では、1人当たり840万円の損害賠償の支払いが命じられました。
 

損害賠償請求をされないようにするには?

損害賠償請求をされない一番の方法は、子どもがいたずらで置き石をしないように日頃からよく話し合っておくことです。子どもは「石を置いたらどうなるのだろう」という興味本位な考えや、逆に何も考えず遊びのつもりで、石を線路の上に置いてしまうことがあります。
 
そうさせないように、置き石をするとそれが事件事故につながり、たくさんの人に迷惑をかけたり、けがを負わせてしまったり、最悪の場合は命を奪ったりしてしまうこと、結果として多額の損害賠償を負う可能性もあることをしっかり伝えておきましょう。
 

被害が大きくなく謝罪をすれば、損害賠償がされないことも

意外に思われるかも知れませんが、置き石による事故はその状況や損害の程度によって、きちんと謝罪をすることで損害賠償の請求を回避できることもあるようです。実際、2022年7月に静岡鉄道で起きた、置き石が原因の脱線事故2件においては、どちらも謝罪を受け損害賠償の請求を行わない考えを鉄道事業者が示しています。しかし、必ずしも請求がされないわけではありません。
 
また、損害賠償は民事上の責任であり、刑事上の責任とは異なります。上記静岡鉄道の置き石のいたずらにおいても、損害賠償請求こそされなかったものの、置き石をした小学生は書類送検されています。民事と刑事の責任は別であり、損賠賠償責任は負わずに済んでも刑事責任は負うことになる可能性があることを、知っておいてください。
 

子どもの線路への置き石は絶対にさせないように

子どもにとっては軽いいたずら心でも、線路へ置き石をし、鉄道が止まってしまうと、数百万円の損害賠償金を請求される可能性があります。被害が小さければきちんと謝ることで損害賠償を回避できる場合もありますが、絶対ではありません。
 
それ以前に、線路への置き石はそのつもりがなくとも、多くの方に甚大な被害を与える可能性があるのです。現在お子さんがいらっしゃる方は、絶対に置き石をしないよう、しっかりと話し合っておきましょう。
 

出典

静岡朝日テレビ 静岡鉄道の2件の置き石は「小学生のいたずら」 弁護士「場合によっては損害賠償を求められるケースもある」 静岡市
東京都市町村民 交通災害共済 電車の事故の賠償金はどのくらい? 事例別の賠償請求対象者や対応方法も解説
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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