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【FP相談】そろそろ9月。今から奨学金を申し込みたいのですが、間に合いますか?

ファイナンシャルフィールド / 2022年8月25日 10時0分

【FP相談】そろそろ9月。今から奨学金を申し込みたいのですが、間に合いますか?

Aさんの高校生の子どもは、今年大学を受験します。教育資金は準備していましたが、子どもの志望校をみていろいろ計算してみたところ、資金が足りなくなる可能性が出てきました。   今からでも奨学金は申し込めるのでしょうか? この時期に申し込む際の注意点はあるのでしょうか?

大学4年間にどれだけお金がかかるの?

文部科学省のデータ(※)によると、令和3年度の私立大学入学者に関わる初年度学生納付金平均額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】


 
2年目以降の授業料・施設設備費に変動がないと仮定して4年分ですと、文科系学部で約410万円、理科系学部で約550万円、医歯系学部では約2400万円(6年分)、そのほかの学部で約510万円となります。
 
これはあくまで平均値ですので、それより高額な大学もありますし、大学によっては、このほかに後援会費や同窓会費などの納付がある場合もあります。
 
さらに、上記は学費のみの試算であって、学校までの交通費や、下宿などする学生であれば、生活費も別途かかってきます。
 

奨学金を申し込むための条件は?

奨学金は誰でも利用できるものではありません。申し込みには、(1)学力基準と(2)家計基準、どちらも満たしている必要があります。

(1)の学力基準は、申し込み時点で、下記の1または2のいずれかに該当する必要があります。

1. 高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること
2. 将来、社会で自立し、および活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること

(2)の家計基準は、学生などの本人と家計維持者が、「収入基準」と「資産基準」のいずれにも該当する必要があります。

よって、Aさんはお子さんの学力に加えて、ご自身と配偶者の収入や資産の状況を確認して、上記に当てはまっているかを確認しなければいけません。
 

奨学金の申し込みは?

Aさんは相談時点では、まだ奨学金を申し込んでいません。奨学金の申込時期については、大学への進学が決定してから申し込むものと、進学先が決まっていなくても申し込むことができる「予約採用」のものがあります。
 
多くの方が利用する日本学生支援機構奨学金は、予約採用の方法を採用しています。
 
また、在学採用のものもありますので、入学後に申し込むことも可能ですが、Aさんの場合、高校生の段階で資金が足りなく可能性があると分かっているのであれば、予約採用の段階から申し込むのがよいでしょう。
  

予約採用のメリットは?

大学入学後に申し込む在学採用の場合、大学ごとに、日本学生支援機構から与えられている奨学金の採用人数の枠が決まっています。そのため、進学先の大学の申し込み状況によっては、採用の倍率が高くなる可能性があります。
 
しかし、高校在学中に申し込む予約採用の場合、そのような枠がないというメリットがあります。
 
また、Aさんの家計環境が変わり、奨学金を受ける必要がなくなって予約採用をキャンセルすることになっても、違約金等は発生しませんので、安心して申し込むことができます。
 

予約採用の時期は?

日本学生支援機構の奨学金の予約採用募集開始は、通っている高校を経由して申し込みます。時期は高校3年生の春ごろです。そしてその審査結果(「採用候補者報告通知」の交付)は10月下旬頃です。
 
また、秋にも予約採用があります。こちらは給付奨学金のみでしたが、2022年度は貸与奨学金についても秋の募集も行っています。
 
2回目の予約採用は、1回目が不採用でも、再度申し込みができます。仮に2回目で不採用になったとしても、進学先で在学採用に申し込みをすることも可能ですので、Aさんは諦めないことも大切です。
 

万が一採用されなかったら

もしも採用されなかったら、教育ローンを利用する方法があります。
 
教育ローンは、多くの銀行、信用金庫等で扱われており、金利は、一般的にカードローンなど使用目的が自由の借り入れよりも低く設定されています。
 

計画的に資金の準備を

大学の費用は急な出費ではありませんので、ある程度余裕をもって資金計画を立てることができます。
 
ただ、Aさんのように途中で資金が足りないことが分かった場合は、少しでも早く資金の調達方法を考えることが大切です。
 

出典

(※)文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
日本学生支援機構 ホームページ
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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