国民年金保険料を未納のままにしたら、どうなる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年8月27日 23時0分
「お金がないから」「どうせ払っても損をするから」など、さまざまな理由で国民年金保険料を未納にしていませんか? 保険料を未納のままにしている場合、老後や万が一の際に後悔することにもなりかねません。 今回は、国民年金保険料が未納の状態が続くとどうなるのか解説します。
国民年金保険料が未納になっていると年金を受け取れないことがある
国民年金(老齢基礎年金)を原則65歳から受給するためには、国民年金保険料の納付済期間や免除期間などを合計した受給資格期間が10年以上あることが必要です。
受給資格期間の算定においては、国民年金保険料が「未納」の期間は含まれません。保険料の未納により受給資格期間を満たさない場合、国民年金を受け取れず、老後の生活が非常に苦しいものとなる恐れがあります。
また、満額の国民年金を受け取るには、国民年金の全加入期間である40年(480月)分の保険料を納付する必要があり、未納の期間があるとその分、将来受け取れる年金が減額されます。
出典:日本年金機構 「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
受給資格期間の10年を満たしていたとしても、未納の保険料があることで受給額が少なくなってしまい、老後の最低限の生活費にも足りない場合があるでしょう。
さらに保険料の納付の状況によっては、ケガや病気で一定の障害状態となり、仕事や生活が制限される場合に支給対象となる障害基礎年金が受け取れなくなったり、万一のことがあった際に遺族が遺族基礎年金を受給できなくなる可能性もあります。
自身や家族の財産を差し押さえられる場合も
国民年金保険料の納付は国民の義務とされています。そのため、未納の状態が長期間続くと催告状が届くようになり、最終的には財産が差し押さえられます。
具体的には給料や預貯金、所有する自動車、自宅などの不動産といった財産が差し押さえの対象となります。また、国民年金保険料の未納においては自身だけではなく、家族の財産も対象です。
催告状には段階があり、いきなり財産が差し押さえられることはありませんが、赤い封筒の特別催告状が届いたときはかなり危険な状態です。
さらにその後、督促状が届いても保険料を支払わない場合、財産調査が実施され、差し押さえへと進むことになります。
未納となっている国民年金保険料はどうすればいい?
国民年金保険料が未納となっている場合、今すぐ払える、払えないに関係なく、そのまま放置しておかず、下記のいずれかの手続きを取る必要があります。
速やかに未納分の保険料を支払う
未納となっている国民年金保険料が支払い可能な金額の範囲の場合は、すぐに納付することをおすすめします。
未納分の保険料は納付期限から2年以内であれば支払うことができるため、最寄りの年金事務所で納付書を請求し、コンビニや金融機関の窓口などで支払ってください。
免除や猶予の申請を行う
国民年金保険料は、2年1ヶ月までさかのぼって免除の申請ができるようになっています。保険料の免除は収入が一定以下の場合や、失業などの理由により納付が困難な状況となっている場合、本人の申請に基づいて行われるものです。
保険料の全額または一部の免除が認められると、その期間は受給資格期間に算入される上、免除された分については一定額まで将来受け取れる老齢基礎年金額に反映されます。
また、50歳未満であれば、年金額への反映はありませんが受給資格期間には加算される国民年金保険料の納付猶予の申請ができるほか、学生の方には学生納付特例という猶予制度が用意されています。
出典:日本年金機構 「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
国民年金保険料の免除、納付猶予のいずれも適用された期間から10年以内であれば、保険料を後から納めて年金額を満額に近づけることができます。
免除および納付猶予の申請は、住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口のほか、郵送でも手続きを行えます。
国民年金保険料は未納のままにしないこと
国民年金保険料が未納となっている状態では、老齢基礎年金の受給額が減ってしまうどころか、受給資格期間を満たさない場合は年金を受け取れなくなり、万が一の際に障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられなくなる可能性もあります。
また、未納を続けていると催告状や督促状が届き、それでも支払いに応じない場合は財産を差し押さえられることになります。
国民年金保険料の未納がある方や、経済的な事情で納付が困難な方は、決してそのままにしておかず、まずは保険料の免除や納付猶予の申請について、お住まいの市区町村役場に相談してみてください。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
習志野市 法令に基づく「滞納処分」をやむを得ず行う場合があります
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:柘植輝
行政書士
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