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えっ!? これも残業時間? 盲点になる残業時間について解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年8月31日 12時30分

えっ!? これも残業時間? 盲点になる残業時間について解説

残業時間は、法定労働時間を超えて働いた時間のことをいいます。よくよく考えてみると、「これは残業時間なのでは? 」と思う時間も存在します。本記事では、盲点になりやすい残業時間について解説します。

そもそも残業時間とは

労働時間には、「所定労働時間」と「法定労働時間」があり、「所定労働時間」は、雇用主と労働者との契約で交わされた労働時間のことで、「法定労働時間」は労働基準法第32条に基づく、1日8時間、週40時間の上限をいいます。
 
例えば、契約時や就業規則に勤務時間が6時間と定められていれば、所定労働時間が6時間になります。多くの企業では、法定労働時間が8時間イコール所定労働時間になっているため分かりづらくなりますが、異なる労働時間です。
 
残業は、「法定内残業」と「法定外残業」の二つに分かれており、「法定外残業」はいわゆる「時間外労働」のことを指します。雇用主は、時間外労働の場合、賃金を割り増しで支払う義務が生じることになります。
 
「法定内残業」は、所定労働時間が6時間の場合に、2時間残業すると法定労働時間内に収まります。「法定外残業」は、所定労働時間6時間であれば、4時間残業すると2時間は法定労働時間内に収まらないため、その分が時間外労働です。
 

残業代の算出方法

時間外労働は、労働基準法第37条第1項によると割増賃金の範囲が定められており、具体的な割増率は延長した労働時間の25%と政令に定められています。ただし、「法定内残業」は、割増率が加算されず、「法定内残業」を超えた残業分については時間外労働として加算されます。
 
次の計算式によって残業代を算出します。
 
残業代=1時間当たりの基礎賃金×残業時間×割増率25%
 
例えば、1時間当たりの基礎賃金を2000円、所定労働時間8時間に対して2時間の残業をしたとして計算してみましょう。
 
2000円×2時間の残業時間×割増率1.25=5000円
 
つまり、1時間当たりの残業代は2500円です。
 

盲点になりやすい残業時間


 
一般的に残業は、終業時間を超えた分の労働時間をイメージすることが多いでしょう。しかし、法定労働時間を超えた分の時間外労働が法定外残業のことです。盲点になりやすい残業時間を紹介します。
 

会社の慣行として始業前に清掃する時間

始業前に会社の清掃を社員で行う慣行がある場合、その清掃時間は就業時間に含まれます。仮に就業規則で9時から18時を定時としていても、それよりも前に出社して清掃を行っていれば、その分が時間外労働です。
 

終業後に行われる社内研修時間

終業後、強制参加の社内研修がある場合、その研修時間は時間外労働となります。社内研修を終業時間後に行っている企業は注意が必要です。
 

上司から指示を受けたものは労働時間

上司から指示を受けて行うものは、労働時間になります。会社の飲み会やイベントなどで、上司から強制的に参加するように言われたものや、自由参加といいつつも行かざるを得ないようなものは、すべて時間外労働として残業扱いになるため、従業員は適正な残業代を請求するようにしましょう。
 
法定外残業は、使用者だけではなく雇用者においても盲点になりやすい部分になるため注意が必要です。
 

出典

e-Gov法令検索 労働基準法
e-Gov法令検索 労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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