奨学金制度は誰でも受けられる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月5日 10時20分
令和2年4月から奨学金制度が拡充されました。4年制大学や短期大学、高等専門学校(高専)、専門学校等(以下、高等教育機関)で教育を受ける際に必要になってくるのが、授業料や入学金などの教育費です。 2022年8月31日には文部科学省から同制度の対象となる大学等の最新リストが発表されました。子どもの将来のために教育を受けさせたいが教育費を払う余裕がない、という子育て世代にとって奨学金制度は救世主と言えます。 実際に「令和2年度学生生活調査結果」では大学生の49.6%が何らかの奨学金を受給していることが分かりました。果たして奨学金制度は誰でも受けることができるのでしょうか。 そこで本記事では、奨学金制度の概要についてと新しくなった奨学金制度について解説していきます。
奨学金制度の概要
奨学金制度は令和2年4月から拡充されました。新しい支援措置として、これまでの貸与奨学金に加えて給付奨学金が新設されています。まずは、貸与奨学金について見ていきましょう
貸与奨学金
貸与奨学金は、文字通り奨学金を学生に貸与します。つまり、学生は奨学金を返済していくことになります。貸与奨学金はさらに無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金にわけられます。
第一種奨学金
第一種奨学金は、将来的に奨学金を返済していくことになりますが、無利子で返済できます。経済的に余裕がなく、学ぶ意欲のある学生が対象です。高等教育機関への進学予定者と在学中の学生が受給できます。第一種奨学金は、学力基準と家計基準があり、この基準を満たしていることが受給の要件となっています。
学力基準は評定平均値が5段階中3.5以上必要で、3.5未満だったとしても特定の分野で優秀な成績を収めた人も該当します。家計基準は世帯人員、就学者の有無等によって異なりますが、上限額の目安としては3人世帯で給与所得が657万円、給与外所得が286万円となっています。
第二種奨学金
第二種奨学金は第一種奨学金と異なり、有利子で返済していくことになります。こちらも経済的に余裕がなく、学ぶ意欲のある学生が対象です。高等教育機関への進学予定者と在学中の学生が受給できます。第二種奨学金も学力基準と家計基準があります。第二種奨学金の方が第一種奨学金の基準よりも緩くなっています。
特に家計基準は、世帯人員、就学者の有無等によって異なりますが、上限額の目安としては3人世帯で給与所得が1009万円、給与外所得が601万円です。詳細は日本学生支援機構のサイトを確認してください。
給付奨学金
給付奨学金は令和2年4月から始まった新しい奨学金制度です。これまでの貸与奨学金は返済が必要でしたが、給付奨学金は返済不要です。そのため、大学の無償化制度とも呼ばれています。
また、これまでの奨学金では「入学金」は対象外でしたが、給付奨学金では授業料だけでなく入学金の免除も受けることができます。授業料と入学金の免除は魅力的ですが、給付奨学金を受けるには厳しい要件を満たさなければなりません。詳しくは日本学生支援機構の進学シミュレーターを活用し、自身が該当するのか確認してみてください。
さらに、給付奨学金の支援を受け続けるためには進学後の出席態度や成績も影響します。出席日数が少なかったり、成績が悪かったりすると打ち切られることもあるようです。最悪の場合は奨学金の返還もありうるので注意が必要です。
また、支援の対象となる大学も決まっています。「対象外」の大学に進学する人は給付奨学金を受けることができないので、文部科学省のウェブサイトで最新の「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」を確認して準備しましょう。
給付奨学金は貸与奨学金と併用して受けることも可能です。2つを併用することでさらに教育費を充実させることもできます。
まとめ
本記事では、奨学金制度の概要等について解説してきました。新しい奨学金制度である給付奨学金は、学ぶ意欲のある学生や教育費に困っている方のための制度です。「大学の無償化」というだけあって授業料の免除と入学金の免除の両方を受けることができるのも魅力的です。それだけに受給要件はシビアですが、貸与奨学金と併用できる点は心強いです。
給付奨学金を受ける際は、自身が対象なのか、志望する学校が対象から外れていないか、などといった最新情報の確認も重要です。また、給付奨学金が受けられなかったとしても、貸与奨学金や大学等の奨学金制度を利用することも可能です。
教育ローンを受けることもできます。そのため、教育費に困っている世帯も安心して高等教育機関に進学できるようになり、さらなる格差社会の是正が期待されています。
出典
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
文部科学省 高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト(全機関要件確認者の公表情報とりまとめ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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