幼児教育・保育の無償化や高校教育無償化。利用するのとしないのとで、いくら違う?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月7日 10時40分
![幼児教育・保育の無償化や高校教育無償化。利用するのとしないのとで、いくら違う?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_158260_0-small.jpg)
法律が改正され、幼児教育の無償化や高校教育も無償で提供されるようになりました。 ただし、無償化の対象となるのは、一定の所得以下の場合という条件があります。 実際に、これらの教育の無償化が適用された場合と、実費を全額負担した場合には、費用負担はどれくらい違うのか、確認してみましょう。
実のところ、幼児教育や高校教育では、どれくらいの費用がかかるの?
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、1年間の学習費総額は公立幼稚園が約22万円、私立幼稚園が約53万円で、私立の費用は公立の約2.4倍にもなっています。この費用には幼稚園に支払う学習教育費の他に、給食費やお稽古事に関する費用が含まれています。
また、幼稚園に3年通ったときにかかる費用は、年齢が上がるほど高くなっています。上記の金額で算出したときの3年間の学習費は、公立では約66万円。私立では約159万円かかることが分かります。
高校の場合も幼稚園と同じく、学費にはお稽古事や部活などの費用が含まれており、公立高校に通う場合、1人あたりにかかる教育費は年間約46万円です。一方、私立高校に通う場合は、年間約97万円です。
ただし、入学金の費用がかさむことから、もっともお金が必要になるのは、新入生のタイミングとなっています。上記の金額で算出したときの3年間の学習費は、公立では約138万円。私立では約291万円かかることが分かります。
もちろん、子どもの教育方針などによって、通う園や学校、習うお稽古事や学習塾などによっても費用は異なってきますが、文部科学省のデータを踏まえると、自分たちで支払う費用は幼稚園では約66万~159万円。高校では約138万円~約291万円を捻出しなければなりません。
これだけの費用が無償化になるのは、家計によってはうれしいことなのではないでしょうか?
では、どのような場合に無償化となるのか、確認していきます。
幼児教育・保育でもかかる費用はあるの?
無償化になるといっても、すべての費用が無償になるわけではありませんし、子どもの人数によっても免除される内容は変わってきます。
~幼稚園・保育園・認定こども園の場合~
3~5歳児クラスは無償ですが、通園送迎費、食材料費、行事費等は保護者負担することになっています。ただし、年収360万円未満相当世帯は副食(おかず・おやつ等)の費用が免除され、全世帯の第3子以降は、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除される仕組みになっています。
0~2歳児クラスは、住民税非課税世帯は無料です。また、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子とカウントし、第2子は半額、第3子以降は無料になります。ただし、年収360万円未満相当世帯は、第1子の年齢は不問です。
すべての幼稚園などが、子ども・子育て支援新制度の対象となっているわけではありません。また、企業主導型保育事業についても、減額幅が違いますので確認しておきましょう。
その他、預かり保育の3~5歳クラスは最大で月額1.13万円が無償です。認可外保育施設の3~5歳クラスでは月額3.7万円まで無償。0~2歳クラスは住民税非課税世帯が対象となり、月額4.2万円まで無償です。
⾼等学校等就学⽀援⾦は幅広い学校をカバー
高校の無償化は、高等学校等就学支援金制度といい、一般的な高校の他、特別⽀援学校(⾼等部)、高等専門学校(1~3年生)、専修学校(高等課程)等における教育にかかる経済的負担分が対象となります。
国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯が対象です。年収要件は、約910万円未満の世帯です。また、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)、中学生1人の子どもがいる世帯なども含まれます(適用要件の一例です)。
また、支給額は子どもの人数や両親の働き方によっても違いがあります。支給額の上限額は、年収約910万円のときには、公立学校では11万8800円。私立学校の場合は年収590万円までの世帯のときには、39万6000円が上限額です。
ただし、この金額は両親、高校生、中学生の4人家族で、両親の一方のみが働いている場合の目安です。両親の働き方や子どもの年齢構成によっても違いがあります。自分の家族の場合はどうなるのか確認してください。
ライフプランを考えるとき、子どもにかかる教育費を考慮する人は少なくありません。ただし、無償化が進んでいる今、対象かどうかによってお金の使い方は変わってきます。あらかじめ情報を収集しておき、将来のライフプラン作りに役立てていきましょう。
出典
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査
内閣府 幼児教育・保育の無償化について(日本語)
文部科学省 高校生等への修学支援
文部科学省 高校生の学びを支えます。
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
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