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年収と年俸の違いとは? 知っておきたい年俸制のメリット・デメリット

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月7日 21時50分

年収と年俸の違いとは? 知っておきたい年俸制のメリット・デメリット

社会人にとって、重要なことの1つが給与です。給与に関連する話として、「年収」と「年俸」という言葉があります。この2つの言葉はまったく異なる種類ですが、よく混同されます。   転職活動のとき、「年俸制」を採用している会社の求人内容が、「年俸800万円」だったとしましょう。このときに「年収800万円」とは、何が違うのでしょうか?   年収と年俸の違い、そして年俸制を採用している企業で働くメリットやデメリットとを解説します。

年収と年俸の違いとは?

給与関係の話において、年収と年俸はよく混同される言葉です。「年収300万円」「年収1000万円」という言葉を耳にする機会は多いでしょう。
 
一方で、プロ野球選手やサッカー選手のニュースで、「推定年俸1億円」といった年俸に関する言葉を聞くこともあります。年俸制はスポーツ選手のみならず、一般企業でも採用されていることもあります。
 
結論からいってしまうと、

●年収……1年間に得た収入
●年俸……1年単位で固定された給与

となります。
 

年収とは?

年収とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に得た収入の総額です。
 
給与体系や方法は関係ないので、会社員の収入だけではなく、副業や年金で得た収入も年収に含まれます。会社員の給与だけではなく、アルバイトをしているフリーターや学生、賃料収入を得ている不動産経営者、年金生活者の1年間の収入が「年収」です。
 
本業の収入では、基本給だけではなく、残業代や賞与などのすべての収入を合算します。毎月の給与からは所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれますが、これらの金額を引かれる前の総支給額の1年分が年収です。
 

年俸とは?

年俸とは、会社などの組織との契約において定められた、1年間で支払われる給与です。年俸1000万円であれば、「1年間に1000万円の給与が支払われる」という意味になります。
 
年俸制を採用している企業は多くはありませんが、外資系企業やスポーツ選手では採用されているケースがあります。
 
年収と混同されやすい言葉ですが、年収が「1年間に支払われる総支給額」を意味するのに対して、年俸は「1年ごとに支給される給与額が決まっている」という給与形態の話です。年収と年俸では、そもそも言葉のカテゴリーが異なるのです。年俸に追加して残業代や賞与が支払われることもあり、年収と年俸が同じ金額になることもあります。
 
勘違いされやすいのは、年俸制においても毎月給与が支払われる点です。労働基準法第24条第2項では、給与の支払いについて以下のように定めています。
 
「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。」
 
つまり、年俸制であっても、毎月1回以上は給与が支払われます。この条文に基づき、年俸を分割した金額が支給されます。会社によりますが、最もシンプルな方法は12等分することです。14もしくは16等分して、毎月の給与+賞与という形式を取る場合もあります。
 
また、年俸制であっても会社員の場合、厚生年金や社会保険の対象となります。
 

年俸制のメリット

それでは、社員にとって年俸制のメリットはなんでしょうか。
 

1年間の収入が確定している

年俸制の会社では、契約時点で1年間の給与を決定します。1年間の収入が決まっているので、マネープランを立案しやすいです。
 
住宅の購入に伴うローンや、自動車の購入などの大きな買い物の計画が立てやすいといえるでしょう。毎月給与明細を確認して、給与の増減を心配する必要もありません。
 

給与の減額を心配しなくていい

年俸制は1年間の給与が確定しているので、給与が減額される心配が不要です。期待される成果を上げられない場合や、病気によって働けなくなっても、1年間の給与は確定しています。
 
次の年に反映されることになりますが、少なくとも1年間は減額される心配をしなくて済みます。
 

成果次第で給与が上がる

年俸制は成果主義を前提としています。その年のパフォーマンスが翌年の年俸に反映される仕組みです。年齢や勤続年数に関係なく、実力次第で翌年の年俸が上がります。年功序列ではなく、実力で勝負したい人にはぴったりの制度といえます。
 
ただし、年齢制の会社でも年功序列で昇給する会社もあるので、契約時に確認しておきましょう。
 

年俸制のデメリット

厚生労働省の2017年の調査によれば、年俸制を採用している企業は4.9%と、決して多くありません。年俸制が広まらない理由はどこにあるのでしょうか?
 

成果が給与に反映されるまで時間がかかる

年俸制では、その年の成果が反映されるのは翌年の年俸です。その年はすでに固定された年俸で働くので、成果を上げても給与に反映されません。成果を目に見える形で実感したい場合、年俸制では物足りなさを感じるでしょう。
 

翌年の年俸が減給される可能性がある

年俸制では、翌年の年俸が今年の成果によって決まります。成果を上げられなかった場合、年俸が減額される恐れがあります。伝統的な年功序列では、勤続年数が長いほど給与が上がりますが、年俸制では毎年減給と隣り合わせです。
 

まとめ

この記事では、主に年収と年俸の違いを解説しました。年収とは、その年の1月1日から12月31日までの、1年間に得た収入の総額を指しますが、年俸とは、雇用契約で定められた1年間で支払われる給与です。
 
つまり、年収が「1年間に支払われる総支給額」を意味するのに対して、年俸は「1年ごとに支給される給与額が決まっている」という給与形態の話です。
 
年収と年俸が同じ金額になることもあるので、混同しないようにしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 労働基準法
厚生労働省 平成29年就労条件総合調査 結果の概況より 3賃金制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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