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「親ガチャ」問題の解消になるか? 大学無償化制度の活用方法

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月8日 22時40分

「親ガチャ」問題の解消になるか? 大学無償化制度の活用方法

「親ガチャ」とは、2021年の流行語大賞にも選出された言葉で、子どもの人生が親や家庭環境によって左右されるということをスマホゲームの「ガチャ」に例えた言葉です。特に子どもの貧困は社会問題にもなっており、「大学進学」のためには、「学費を支払える家庭である」「進学を後押ししてもらえる環境である」といった当たりのガチャを引く必要があります。   本記事では、子どもの貧困が進学にどのように影響するか、また大学無償化制度についても解説します。

子どもの貧困による進学への影響

子どもの貧困率は、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると2018年時点で13.5%です。また、ひとり親世帯は48.1%の貧困率となっており、2人親世帯が10.7%であることから、ひとり親世帯の貧困率の割合の大きさが分かります。
 
貧困による影響によって高校や大学の進学率にも影響が出ています。内閣府の「子供の貧困に関する現状」によると、子どもの高校の進学状況は図表1のとおりです。
 
図表1

出典:内閣府 子供の貧困に関する現状 より筆者作成
 
ひとり親家庭や生活保護世帯でも進学率は9割を超えているため、貧困による影響は小さいといえるでしょう。
 
続いて、子どもの大学や短期大学、専修学校への進学状況は図表2のとおりです。
 
図表2

出典:内閣府 子供の貧困に関する現状 より筆者作成
 
全世帯が約7割であるのに対して、ひとり親家庭が約6割、生活保護世帯は約4割弱、児童養護施設は約3割となっており、全世帯と比べるとどれも少ない結果でした。
 
子どもの貧困は、高校の進学についての影響は小さいものの大学などの進学には大きく影響しています。しかし、2020年4月より大学無償化制度が始まったことにより、その影響は縮小される可能性があるといえるでしょう。
 

大学無償化制度の活用


 
大学無償化制度は、短期大学や4年制大学などの高等教育を受けたいけれども経済的な理由で進学が難しい世帯に向けた子どもの修学を支援する制度です。正式名称は「高等教育の修学支援新制度」といいます。
 
住民税非課税世帯や住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生を対象とし、修学支援の内容は、「入学金や授業料の減免」「給付型奨学金の支給」があります。なお、住民税非課税世帯の学生は、支援額の満額、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、支援額の2/3または1/3となります。
 
年収要件や資産要件の他、子どもの学力も要件となっており、一定の学力や学修意欲などがなければ支援を受けられないため、成績を落とさないように勉強していなければなりません。また、進学後の成績が悪く欠席が多ければ、支援が打ち切られる可能性もあるため注意しましょう。
 

「親ガチャ」問題解消の糸口になるか

子どもの貧困の影響によって、これまでは学業成績が良く学修意欲が高かったとしても経済的な理由で進学をあきらめるしかありませんでした。しかし大学無償化制度が始まったことで、意欲ある学生には進学機会が与えられるようになりました。
 
所得や資産状況によっては、全額無償になるわけではないものの、進学にかかる費用負担は軽減されます。これから大学進学を検討している人は、大学無償化制度の内容を事前に確認した上で活用するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 2019年国民生活基礎調査
内閣府 子供の貧困に関する現状
文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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