「退職金・企業年金」の受取額はどれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月12日 10時40分
![「退職金・企業年金」の受取額はどれくらい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_158857_0-small.jpg)
定年を迎えると受け取れるのが「退職金」や「企業年金」です。退職金の金額は年収や働いた年数によって変わりますが、老後の生活では大きな収入となります。住宅ローンなどの一括返済に使う人もいるでしょう。 また、企業年金も老後の生活のために重要な収入になります。それでは、退職金や企業年金の受取額の平均はどれくらいなのでしょうか。また、大きな額なので、その年の所得が大きくなることを不安に感じる人も多いと思います。 そこで本記事では、退職金や企業年金の受取額がどれくらいなのかについてと、退職金や企業年金を受給した年の所得はどうなるのかについて解説していきます。
退職金・企業年金の受取額の平均はいくらか
厚生労働省の統計では、退職金と企業年金を合わせて「退職給付」として計算しています。退職給付額は企業規模にもよりますが、平均で2233万円となっています。月収換算にすると38.6ヶ月です。これだけあれば、老後の生活やローンの一括返済に利用できますね。
しかし、これだけ高額だと所得が増えるので所得税がどうなるのかが気になります。
退職所得の考え方
退職給付は「退職所得」として課税されます。退職所得は、退職によって企業から給付される退職金のような一時金や一時金で受け取る場合の企業年金などが該当します。退職所得は他の所得と合算して課税されるものではないため、税制面で優遇されていると言えます。
退職金は、企業が所定の手続きをしていると源泉徴収で課税されるので確定申告をする必要はありません。退職所得の計算方法は、収入金額から退職所得控除額を引いた額の半分となっています。
企業年金
企業年金制度は「確定給付企業年金」、「企業型確定拠出年金」、「厚生年金基金」の3つがあります。企業年金も勤続年数が長いと掛け金を多く払うことになるので、勤続年数が長いほど受給額は多くなります。ここでは、退職所得に関係のある確定給付企業年金と企業型確定拠出年金について紹介します。
確定給付企業年金
確定給付企業年金は、企業と従業員があらかじめ給付の内容を約束し、老後に従業員がその内容に基づいて受給することができる企業年金制度です。
年金のように毎年受け取る場合と一時金で受け取る場合とを選択できます。前者は公的年金等控除の対象になります。この場合は退職所得とならないので注意が必要です。後者は退職所得の対象となります。退職所得として処理したい場合は一時金で受け取るようにしましょう。
企業型確定拠出年金
企業型確定拠出年金は、企業の拠出する掛け金が加入者ごとに区分され、その掛け金と運用益との合算で給付額が決定される企業年金制度です。確定拠出年金とは異なり、運用益も合算されるのが特徴で、運用は加入者が指図します。
企業型確定拠出年金も受け取り方が二通りあり、年金のように毎年受け取る「年金方式」と一時金で受け取る「一時金方式」を選択することになります。前者は公的年金等控除、後者は退職所得控除の対象となります。受け取り方で控除の対象が異なるので注意しましょう。
退職所得控除
退職所得控除は、退職給付を受給した際に利用できる優遇税制です。退職所得控除の計算方法は勤続年数が20年以下の場合と20年を超える場合とで異なります。
まず20年以下の場合は、「40万円×勤続年数」です。80万円に満たない場合は80万円になります。例えば、勤続年数が10年の場合は、40万円×10年なので400万円です。
次に20年を超える場合は、800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。例えば、勤続年数が25年の場合は、800万円+70万円×(25年-20年)となるので1150万円になります。控除額が大きいので退職給付を受給する場合は、退職所得控除を利用したいですね。
退職給付の受け取り方や使い方を考えてみよう
退職金や企業年金の受取額がどれくらいなのかについてと、退職金や企業年金を受給した年の所得はどうなるのかについて解説してきました。退職金や企業年金は勤続年数が長いと高額になることがわかりました。老後の生活やローンの返済のためには、とてもありがたい制度です。
しかし、高額なため所得が大きく増えてしまいます。所得が増えると翌年の所得税や住民税が増える可能性があるので、受け取る際も注意が必要です。そこで利用したいのが退職所得控除です。確定給付企業年金や企業型確定拠出年金は、受け取り方次第で退職所得控除を受けられない場合もあるので注意しましょう。
退職給付は定年後の生活にも大きく関わってくるので、この機会にぜひ受け取り方や使い方を考えてみてください。
出典
厚生労働省「就労条件総合調査」/平成30年
生命保険文化センター 退職金・企業年金の受取額はどれくらい?
国税庁 退職金と税
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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