物価高で生活がきつい! 今できること、将来のためにできること
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月12日 11時20分
![物価高で生活がきつい! 今できること、将来のためにできること](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_158939_0-small.jpg)
物価が上昇するインフレが世界的に進んでいます。毎月の給料で生活費を何とかやりくりしている人や、年金と貯蓄の切り崩しで生活している人にとっては、最近の物価高による家計への影響も大きいでしょう。 今回は、今すぐできる物価上昇への対応のほか、将来に備えて始めておきたい対策について考えます。
物価の上昇で暮らし向きに変化
日本銀行が実施した「生活意識に関するアンケート調査」(2022年6月調査)の結果によると、物価に対する実感が1年前と比べて「上がった」と回答した人は全体の89%で、前回調査(2022年3月)の81.2%から増加しました。
また、1年後の物価が「上がる」と回答した人は87.1%となっており、今後も物価高が続くと考えている人が多いことが分かります。
物価の上昇は私たちの暮らしに大きな影響を与えますが、現在の暮らし向きについて1年前より「ゆとりがなくなってきた」という回答は、全体の43.2%を占めています。そして、ゆとりがないと回答した人の約8割が、その理由として物価の上昇を挙げています。
今後、特に対策を行わず、給与も上がらなければ、物価の上昇によって経済的なゆとりがなくなる家庭は、さらに増えていくと考えられます。
なぜ物価が上がるのか
現在の物価高は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が関係しています。日々の生活に欠かせない電気代やガソリン代の値上げが続いていることで、物価高を実感している人は多いでしょう。
また、最近では円安も続いていますが、円安は輸入品の価格を押し上げます。例えば、食料品などで海外からの輸入に頼っている物についても、度重なる値上げが行われています。
物価上昇の対策として今できること
物価の上昇に合わせて賃金も上がっていけば、生活に大きな影響はありません。
しかし、世界的に進んでいるエネルギー価格の高騰は、企業にとってコストが増えることになるため、すぐに十分な賃金アップが行われる見込みは低いと考えられます。
そこで物価上昇の対応策として以下に挙げる、今できること、また将来に備えて始めておきたいことについて、それぞれ考えてみましょう。
1.支出の見直し
2.収入を増やす
3.長期的な資産運用を始める
支出の見直し
まずは家計簿アプリなどを使って、現状の支出を正確に把握しておきましょう。
家賃のようにすぐに対策できないものも多いかもしれませんが、例えば電力会社を変えて電気代を節約したり、スマートフォンを格安SIMに変更したりすることで通信費を減らすなど、支出の見直しによって確実に節約できる部分があるかもしれません。
収入を増やす
次に、物価高への対応として現在より収入を増やすことができないか、可能な範囲で構わないので検討してみましょう。
現役世代で副業が行える場合、この機会に始めてみるのもいいでしょう。また、すでに定年退職をしている方の場合は、ハローワークやシルバー人材センターを利用して、高齢者向けの再就職先や、物価の上昇分をカバーできる程度の収入が得られる仕事を探すこともできます。
長期的な資産運用を始める
資産運用は「今の物価高」の対策というよりは、10年、20年先の将来的な物価高に対する備えとして長期的に行うのがポイントです。
投資初心者に限らず、ベテラン投資家であっても、現在のウクライナ侵攻による物価の高騰や円安などの為替状況において、短期的な投資で大きな利益を出すのは難しく、資産運用に失敗してしまうことがあります。
そこでインデックス投資信託など、仕組みが分かりやすく、今後もゆっくりと値上がりが期待されるような商品に積立投資を行い、少しずつ資産を増やしていく方が、結果的に運用が成功する可能性があると考えられます。
つみたてNISAやiDeCoなど、非課税で投資ができる制度を活用しながら、老後の備えとしてはもちろん、長期的な物価高への対応策として資産運用を始めてみましょう。
まとめ
物価の上昇が続く状況に対して、これからの生活をどうしたらいいのか戸惑っている人も多いかもしれませんが、まずは自分ができるところからでも対策を行っていく必要があります。
今回紹介した内容を参考にしながら、家計の支出を見直すほか、少しでも収入が増やせないか、また長期的には資産運用についても検討してみましょう。
出典
日本銀行 「生活意識に関するアンケート調査」(第90回<2022年6月調査>)の結果
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
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