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「残業強要」は違法行為? パワハラ認定される要件を解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月15日 11時20分

「残業強要」は違法行為? パワハラ認定される要件を解説

残業は、労働基準法では禁止されています。しかし、労働基準法36条では、労使間で協定締結すれば協定の定める範囲内で残業することができます。いわゆる「36協定」です。   「36協定」を順守した残業命令は有効ですが、パワハラと認定されてしまうケースもありますので注意が必要です。どこからがパワハラになるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。今回は、残業とパワハラとの関連性ついて解説します。

そもそも残業とは?

法定労働時間は「1日8時間以内、週40時間以内」と決められています。法定労働時間を超えて労働させることを「残業」といいます。
 

残業を命令できる要件

残業の必要性があり、36協定を締結していれば、使用者は労働者に残業の命令ができます。ただし、あくまでも労使間で定めた時間の範囲内で残業命令がなされる必要があります。
 
36協定」を締結するには以下の要件を満たさなければなりません。
 

●労使協定の締結
●所管労働基準監督署長への届け出
●労働契約や就業規則上の残業の規定

 
また、労働基準法106条で、上記書類は見やすい場所に備え置くなどして職場に周知させなければならないとされています。
 

残業が違法となるケース

「36協定」を締結していても以下のケースでは違法とされる可能性があります。
 

●年720時間、複数月平均80時間、月100時間を超える残業
●残業を拒否できる正当な理由(※)があるにもかかわらず残業を命令

 
※正当な理由
●妊娠中または産後1年を経過していない(労働基準法66条)
●3歳未満の子供を養育している(育児介護休業法16条の8)
 

残業とパワハラの関係性

「残業が違法になるケース」とは別に、パワハラが認定される場合があります。都道府県労働局の調査によれば次の3要素すべてを満たせばパワハラとされると考えられています。
 

(1)優越的な関係を背景とした言動
(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
(3)労働者の就業環境が害される

 
上記3要素を満たす行動パターンとして以下の6つが挙げられます。
 

●殴る蹴るなどの身体的な攻撃
●人格否定発言などの精神的な攻撃
●仕事をさせないなどの人間関係からの切り離し
●達成不可能な業務を課すなどの過大な要求
●本人のレベルよりあまりに低い業務を課すなどの過小な要求
●職場内外の監視するなどの個の侵害

 
図表1
 

 
出典 都道府県労働局 2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました より筆者作成
 
残業の強要は、労働基準法違反とパワハラ認定の両方が適用される可能性があるので、注意が必要です。
 

まとめ

今回は、使用者が労働者に残業を強要することの注意点を解説しました。使用者は36協定に基づき適法に残業を命令することができます。労働者も正当な理由があれば残業を拒否できます。
 
使用者が、優越的な地位を使い、業務上通常考えられる範囲を超え、結果的に就業環境が害されることになればパワハラ認定される可能性が高いといえます。労働者として、残業命令が乱用されないように常に注意を払っていきたいものです。
 

出典

厚生労働省 36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針

e-Gov 法令検索 労働基準法

都道府県労働局 2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!

 
執筆者:羽田直樹
二級ファイナンシャルプランニング技能士
 

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