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【試算】年収200万円ひとり暮らしでも「本当に」楽しく暮らせる?

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月15日 22時10分

【試算】年収200万円ひとり暮らしでも「本当に」楽しく暮らせる?

収入が増えないのにモノの値段が上がる日本では、「低収入でも楽しく暮らす」という考え方が生まれています。実際に、低収入でも幸せに暮らす人の書籍も出版されています。本当に低収入でも楽しく暮らせるのか、年収200万円の独身者をモデルとして試算してみましょう。

年収200万円の生活

勤務先や職業(会社員か個人事業主)によって手取りは異なります。ここでは、税金や保険料を支払った後の手取りを年間160万円と仮定します。毎月の手取りは13万3000円前後です。
 
ひとり暮らしをするには、図表1のように予算を立てて生活しなければいけません。節約なしではやっていけない金額です。
 
図表1 年収200万円ひとり暮らしの予算(一例)


総務省統計局 2021年家計調査年報(家計収支編、単身世帯)より筆者作成
 
家賃の高い関東圏に住む人は、自転車を利用して交通費を減らし、家賃に充ててもよいでしょう。交通費が減らせない場合は、ある程度条件を妥協しない限り家賃4万円以内は難しいです。
 

平均的なひとり暮らし

図表2に記載の平均的なひとり暮らしの生活費と比べると、年収200万円の生活は、娯楽費や交際費を大幅に削っていることが分かります。
 
図表2 ひとり暮らしの1ヶ月の平均生活費


総務省統計局 2021年家計調査年報(家計収支編、単身世帯)より筆者作成
 
総務省の調査結果では、住居費の平均額は持ち家世帯や家賃補助を受けている世帯も含まれます。実際に関東圏でひとり暮らしをしている人は、最低でも月6万円程度の家賃を想定しておくべきでしょう。
 
図表2の家賃を6万円と仮定すると20万1500円の生活費となります。平均的なひとり暮らしでも、決して余裕があるとは言えません。年収200万円の生活は、平均から月7万円前後節約してようやくギリギリです。貯金もしようと思えば、月8万円~9万円の節約が必要になります。
 

生活は可能だが「楽しく暮らせる」かは疑問が残る

年収200万円でも、生活するだけなら不可能ではありません。家賃の安い部屋に住み、食費や交際費、娯楽費を削れば生活できます。問題は、この生活を「楽しく暮らせる」と言い切れるか、ということです。
 
確かに、お金のかからない娯楽で楽しめる人はいるでしょう。無料で利用できる図書館や散歩でも楽しいと思う人なら問題ありません。
 
しかし、実際には、それで満足できる人は多くはないと思います。今回の試算では貯金を一切考慮していないため、さらに節約しなければ非常時の支出に対応できません。
 
年収200万円は、節約上手な人なら幸せに暮らせるのかもしれませんが、平均的な人が満足に生活するにはあまりにも少なすぎる収入であり、自身にとっての「豊かさ」や「楽しさ」から「ぜいたく」の要素を排除するなど再定義が求められるでしょう。
 

出典

総務省統計局 2021年家計調査年報(家計収支編、単身世帯)
 
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

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