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「70歳定年」の義務付けも近い? 定年の変遷と今後について解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月16日 2時50分

「70歳定年」の義務付けも近い? 定年の変遷と今後について解説

70歳定年制が近い将来当たり前になるかもしれません。2021年4月の高年齢者雇用安定法の改正によって、70歳まで継続雇用の措置を講じることが努力義務とされています。   法律改正時点では、定年の年齢を引き上げることについて「義務付けるものではありません」と明記されていますが、過去の法改正の経緯を踏まえると、これは義務化への布石であることを否定しきれません。これまで定年の年齢は、努力義務から義務化へ引き上げられてきたからです。

定年の変遷

定年制度は、昭和初期の55歳定年から始まりました。長らく55歳定年が一般的でしたが、少子高齢化による労働人口減少を解消するために、徐々に定年の年齢が引き上げられています。
 
1980年代に55歳から60歳への引き上げが努力義務となり、1990年には定年後の再雇用が義務化されました。1998年には60歳定年制が定着しています。その後も定年の引き上げは続き、2000年に65歳までの雇用確保が努力義務となり、2013年には65歳までの継続雇用が義務化されました。
 
「努力義務」となってから「義務化」されるまでに10年前後の期間がかかっているものの、努力義務が設けられた時点で、将来的な義務化の可能性は高いでしょう。
 

定年の引き上げによる影響

定年が引き上げられると、さまざまな分野に影響を及ぼす可能性があります。特に影響が大きいものとして次の2つが挙げられます。
 

年金の支給開始年齢が上がる

65歳までの継続雇用が義務化された時期とほぼ同時に、男性に対する「厚生年金の支給開始年齢の引き上げ」が始まっています。1961年4月2日以降に生まれた男性と1966年4月2日以降に生まれた女性は、厚生年金の支給開始年齢が65歳になりました。70歳までの継続雇用が義務化されれば、支給開始年齢は70歳まで引き上げられる可能性があります。
 

管理職ポストが空かない

定年が引き上げられると、勤めている職場での上のポストが詰まります。定年が70歳になれば、2022年現在と比べて退職が最長5年遅くなります。
 
これまでも「上のポストが詰まっている」という指摘はありましたが、この傾向はより強まるでしょう。20代から30代の若い世代は、管理職以上へ出世する年齢がずれ込む可能性が高くなります。スタートアップ企業やベンチャー企業は別としても、歴史のある大企業で働く人には大きな問題になるでしょう。
 

若い世代は会社での出世以外のキャリアも考える必要がある

定年が引き上げられる可能性を考えれば、勤めている会社だけに頼ったキャリアは自分の可能性を狭めるかもしれません。年功序列や終身雇用の制度が残っている会社なら、なおさらです。
 
転職や副業といった別のキャリアを志向するのが必ずしも正解とはいえませんが、1社だけに将来を託した人生設計にもリスクが想定されることは認識しておいたほうが良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
厚生労働省 いっしょに検証!公的年金
 
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
 

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