値上げが続いているけど、給料が上がった人はどのくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月22日 8時20分
![値上げが続いているけど、給料が上がった人はどのくらい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_160206_0-small.jpg)
食料品や日用品をはじめ、日本国内の物価高騰が深刻です。2022年7月度の消費者物価指数は前年同月比2.4%上昇と、4ヶ月連続で2%を超えました。さらに、2022年10月からは食料品など、さらなる値上げが予定されています。 政府は2013年に2%の物価上昇という目標を掲げていましたが、今の物価高騰は賃金上昇を伴っていないため、理想的な形ではないと認識しています。 それでは、値上げが続く中、給料が上がった人はどのぐらいいるのでしょうか。
2021年に賃金引き上げを行った企業は約8割
厚生労働省が2021年11月に公表した「賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、2021年1月から12月の間に1人平均賃金(諸手当を含んだ、1人あたりの所定内賃金の平均額。
ただし、割増手当や慶弔手当は含まない)を「引き上げた」あるいは「引き上げる」とした企業は全体の80.7%で、「引き下げた」あるいは「引き下げる」とした企業は1%にとどまりました。また、「賃金の改定は行わない」とした企業は10.1%でした。
1人平均賃金の改定額は4694円の上昇で、改定率をみると1.6%でした。なお、「引き上げた」あるいは「引き上げる」とした企業に限定して見てみると改定額は5187円でした。産業別に見ると、改定額が最も上昇したのは建設業で、前年よりも6373円増え、改定率は2%となりました。一方、改定額が最も少なかった産業は医療・福祉で、2855円で、改定率は1.5%でした。
また、一般職員の定期昇給制度を設けている企業は81.6%で、このうち74.6%が2021年度の定期昇給を「行った」あるいは「行う」としています。ちなみに労働組合がある企業は全体の23.7%で、労働組合がある企業の69.5%が2021年に賃上げ要求を行っています。
消費支出・非消費支出は増加するも可処分所得は減少
それでは、家計の様子はどうなっているのでしょうか。総務省が発表した2022年7月分の「家計調査報告」によると、2人以上の世帯の、1世帯あたり平均消費支出は1ヶ月28万5313円で、前年同月と比べた実質増減率は3.4%の増加となりました。
また、2人以上の世帯における実収入を見てみると1世帯あたり平均65万7263円となっていて、世帯主収入については定期収入も臨時収入・賞与も4ヶ月連続の減少となっています。
消費支出・非消費支出ともに増加傾向となっていますが、世帯収入や世帯主収入が減少しているため、可処分所得の額も減少しています。
賃金改定率より深刻な物価高騰
長引くロシアによるウクライナ侵攻や記録的な円安・ドル高の影響で、物価高騰が深刻です。2022年10月からは食料品や飲料のうち6305品目が値上げを予定しています。また、大手回転ずしチェーンも1皿あたり5円から15円の値上げを発表し、話題となりました。
連合(日本労働組合総連合会)が2022年8月に発表した、2022年の春季生活闘争の結果によると、賃上げ率は全体・中小企業ともに、3年ぶりに2%を超えましたが、それ以上に物価高騰が深刻であることがわかります。賃金上昇しているものの、物価高騰がはるかに上回っていることがうかがえます。
賃金は上がった人が多いがそれ以上に物価高騰が深刻
2021年の1人平均賃金は額面にして4694円上昇していて、およそ8割の企業で賃上げが行われました。賃上げ率は2%となっていますが、物価上昇はそれ以上に深刻で、2022年10月にも食料品や飲料の値上げが予定されています。
賃金上昇はもちろん大切ですが、政府が物価上昇に対して何らかの政策を継続して行っていくことも求められています。
出典
厚生労働省 令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況
総務省 家計調査報告-2022年(令和4年)7月分-
日本労働組合総連合会 2022春季生活闘争まとめ[2022年8月25日掲載]
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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