国民年金保険の保険料は免除してもらえる? 要件は?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月22日 11時0分
コロナ禍の影響などで収入が減ってしまった人もいるでしょう。しかしそのようなときでも、払わなければならないのが、税金や国民年金保険の保険料です。 特に、国民年金保険の保険料が未納になってしまうと、将来的に自身が年金を受け取る際に減額されたり、最悪の場合は受け取れなかったりする恐れがあります。 そのようなことにならないために、知っておきたいのが保険料の免除制度です。国民年金保険には免除制度があるのですが、いくつかの要件があります。 そこで本記事では、国民年金保険の保険料免除制度について解説していきます。
国民年金保険の概要
国民年金保険は、20歳からすべての人が加入することになっていて、60歳までの間に保険料を納めます。保険料は老齢基礎年金として、基本的には65歳から受け取ることが可能です。
国民年金は加入している人の職業によって、第一号被保険者、第二号被保険者、第三号被保険者の3つに種別が分かれています。それぞれ保険料の納付方法が異なるのでみていきましょう。
第一号被保険者
自営業者や学生、主婦といった人が該当します。保険料は、口座振替や納付書などを利用して自分で納めます。
第二号被保険者
公務員や会社員の人が該当します。勤務先が給料から天引きして保険料を納付してくれます。
第三号被保険者
第二号被保険者に扶養されている配偶者です。扶養している第二号被保険者が負担するので、第三号被保険者の人は自己負担する必要はありません。
この中で保険料の免除を利用できるのは、自分で納付する第一号被保険者です。
保険料免除制度
第一号被保険者は自分で保険料を納付しますが、収入の減少や家計の問題などで保険料の納付が厳しい場合もあるかもしれません。そのようなときに利用できるのが、保険料の免除制度です。
免除制度は、自分から申請する必要があります。所得が基準よりも低い場合や失業した場合に申請し、審査に通れば国民年金の保険料が免除されます。免除される額は、所得の金額によって変わります。全額、4分の3、半額、4分の1の4種類です。
保険料納付猶予制度
国民年金保険には納付猶予制度もあります。免除制度との違いは、納付猶予制度はあくまで納付を猶予されるだけなので、猶予されている期間は受給資格期間に含まれますが、追納しないと年金額が増えない点です。
こちらも自分から申請する必要があり、20歳から50歳までの人で一定の基準より所得が低い場合に利用できます。
学生納付特例制度
似たような制度で、学生納付特例制度があります。
国民年金保険は、20歳を超えるとすべての人が加入することになるので、20歳以上の学生も含まれます。しかし、国民年金の保険料は学生には重い負担になるので、学生納付特例制度を利用できるのです。
この制度を利用した期間は納付が猶予されます。学生納付特例制度は、納付猶予制度と同様に、猶予されている期間は受給資格期間に含まれるものの、追納しない限り受給金額は増えません。
免除申請や納付猶予のメリット
保険料の免除制度を利用すると、免除の期間に保険料の納付をしなくてもよくなります。
それだけでなく、免除期間中も国民年金の受給資格期間に含まれ、追納しなくても、保険料全額免除なら、免除された期間は全額納付した場合の年金額の2分の1の金額、4分の3免除なら全額納付の8分の5、半額免除なら8分の6、4分の1免除なら8分の7の年金額を受け取ることが可能です。
納付猶予制度も、その期間中は保険料の納付をしなくてもよくなります。こちらについても免除された期間は国民年金の受給資格期間に含まれるのが特徴です。
しかし、免除とは異なり、追納しなければ受給金額は増えないので注意が必要です。免除なのか、納付猶予なのか、しっかりと確認しましょう。
まとめ
本記事では、国民年金保険の保険料免除制度について解説しました。国民年金保険料納付の免除制度や猶予制度は、所得が減ってしまったり失業してしまったりと、生活が厳しくなった人のための救済制度です。
保険料を払えなくなり未納の状態になると、その期間は受給資格期間に含まれません。また、受給資格期間が少ないと最悪の場合、国民年金が受給できなくなる恐れもあります。保険料を払えなくなりそうな人や未納状態にある人は、免除や猶予の申請をしてみましょう。
未納の場合と異なり、免除期間や納付猶予期間は、受給資格期間に含まれます。受給金額は少なくなってしまいますが、受給資格期間が一定以上あれば、年金受給の資格要件を満たすことができるので、未納の場合とは大きな違いです。
生活に余裕が出てきたら追納することで、国民年金を増やすこともできます。保険料の免除制度や納付猶予制度をうまく使って、安心した老後に備えたいですね。
出典
日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
国民年金の未納が過去に1カ月だけあります。今から追納はできるのでしょうか?
オールアバウト / 2024年8月5日 20時30分
-
うつ病悪化の33歳ひきこもり男性 「国民年金保険料」納付でも障害年金請求できず なぜ? 社労士が明かした“盲点”
オトナンサー / 2024年7月30日 9時10分
-
派遣社員です。毎月の年金保険料が高すぎて払えません……。何か対応策はあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月28日 4時0分
-
「国民年金保険料」の支払いを一定期間免除してもらっていたのですが、追納した方がよいのでしょうか? もらえる額はかなり変わりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月27日 8時40分
-
後悔しています…日本年金機構から「赤色の封筒」が届いた〈月収35万円・40歳男性〉、25年後に知る「自分の不手際」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月25日 11時15分
ランキング
-
1排せつケア市場が拡大=超高齢化到来、商品多様に―メーカー各社
時事通信 / 2024年8月11日 4時4分
-
2中高年リスキリングを待ち受ける「3つのリスク」 定年後、ホワイトカラーの仕事に就けるのか?
東洋経済オンライン / 2024年8月12日 10時0分
-
3気象庁「予知はデマ」明言、地震雲の発生や動植物の予知能力は「科学的な根拠に欠ける」
読売新聞 / 2024年8月12日 10時0分
-
4日経平均株価〈過去最悪の下落〉で大混乱の日本株市場だが…経済の専門家が「これから絶好の買い場になる」と考えるこれだけの理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月12日 10時15分
-
5「刀剣乱舞」企業をサイバーが167億円買収の衝撃 悲願成就へ「過去最大規模M&A」に打って出た
東洋経済オンライン / 2024年8月12日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください