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年収130万円の壁を突破しそう! 手取り額を減らさない年収はいくらくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月27日 7時10分

年収130万円の壁を突破しそう! 手取り額を減らさない年収はいくらくらい?

扶養内を意識して働いている人のなかには、思わぬ残業や代役などが生じた結果、年収の見込みが130万円を超えそうになった経験がある人も多いでしょう。年収が130万円以上になると社会保険料の負担が増え、場合によっては年収129万円までと比べて手取り年収が少なくなることもあります。   本記事では、年収130万円の壁をギリギリ超えてしまったときの手取り額の変化や、年収130万円以上になった場合に、年収129万円までのときと同じくらいの手取り額になる年収の目安を紹介します。扶養内で収入の調整が難しくなったときの参考にしてください。

年収130万円の壁とは

年収130万円の壁とは、年収で社会保険の扶養から外れるボーダーラインのひとつです。社会保険の被扶養者になるには、次の2つの収入要件を満たしている必要があります(短時間労働者の社会保険適用条件に当てはまらない場合)。


・年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金の対象となる程度の障害者は180万円未満)
・年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満

年収が130万円以上になると原則として配偶者など社会保険の扶養から外れ、健康保険料や厚生年金保険料を自身で負担することになります。
 
ただし、2022年10月から施行される、短時間労働者への社会保険適用の拡大により、主に次に当てはまる場合は、年収130万円以下でも社会保険の扶養を外れるため注意しましょう。


・従業員501人以上(2022年10月以降は101人以上)の会社に勤めている
・月額賃金が8万8000円(年収換算105万6000円)以上である
・雇用期間が2ヶ月以上の見込みである
・学生ではない

 

年収130万円を超えると手取り額の逆転現象が起こるかも

年収が130万円以上になり健康保険料・厚生年金保険料を負担するようになると、年収が130万円未満の場合よりも手取り額が少なくなるという逆転現象が起こることがあるため注意が必要です。
 
例えば、40歳未満で年収129万円・社会保険の被扶養者の場合と、同年齢で年収130万円、健康保険料・厚生年金保険料の負担ありの場合の税金、社会保険料、手取り額を比較すると、図表1のようになります(令和4年10月~5年3月までの目安)。
 
【図表1】

年収129万円 年収130万円
社会保険料 健康保険料・厚生年金保険料:0円
雇用保険料:約6500円
健康保険料・厚生年金保険料
:約18万2000円
雇用保険料:約6500円
住民税 約3万5000円 約1万8000円
所得税 約1万3000円 約4000円
手取り額 約123万5500円 約108万9500円

※健康保険料と厚生年金保険料を14%として計算。また所得控除は社会保険料控除、基礎控除のみ。
筆者作成
 
このケースでは額面の年収が1万円高い、年収130万円の人のほうが約14万円以上も手取りの年収額が低くなります。健康保険料・厚生年金保険料の負担が発生した分、住民税・所得税の金額は下がりますが、それ以上に社会保険料控除が増えるため、手取り額は逆転してしまうのです。
 
そのため、手取り額だけを見ると働き損といった感覚を受けるのは否めないでしょう。しかし、その一方で厚生年金に加入することで、老齢年金受給額が増えるなどのメリットもあります。
 

手取り額の逆転解消に必要な年収は約151万円

年収130万円の壁を超えたことにより、年収129万円のときよりも手取り額が少なくなる現象は、年収が150万円を超えるあたりでようやく解消されます。
 
40歳未満で年収129万円・社会保険の被扶養者の場合と、同年齢で年収151万円、健康保険料・厚生年金保険料の負担ありの場合の税金、社会保険料、手取り額は図表2のとおりです(令和4年10月~5年3月までの目安)。
 
【図表2】

年収129万円 年収151万円
社会保険料 健康保険料・厚生年金保険料:0円
雇用保険料:約6500円
健康保険料・厚生年金保険料
:約21万1400円
雇用保険料:約7550円
住民税 約3万5000円 約3万6000円
所得税 約1万3000円 約1万3000円
手取り額 約123万5500円 約124万2000円

※健康保険料と厚生年金保険料を14%として計算。また所得控除は社会保険料控除、基礎控除のみ。
筆者作成
 
年収151万円のほうが6500円ほど手取りは高くなり、手取り年収の逆転が解消されています。社会保険の扶養を外れても年収129万円のときの手取り額をキープしたい場合は、年収150万円超を目安とするとよいでしょう。
 
しかし、このケースでも額面に20万円以上の差があるのに対して、手取り額の差は1万円未満でしかありません。130万円の壁を超えて働くことを決めたのであれば、年収150万円といわず、より高い年収を目指して働いたほうが、家計への恩恵は大きくなります。
 

130万円の壁が手取りに及ぼす影響は大きい

年収130万円の壁をギリギリ超えてしまうと、年収130万円未満に抑えていた場合と比べて手取り年収が10万円以上も下がる可能性があります。年収130万円を超えて社会保険料の負担が増えても、年収130万円未満のときの手取り額をキープできるラインは、年収150万円超が目安です。
 
年収130万円の壁を超えてしまえば、神経質に気にしなければならないボーダーラインはありません。年収130万円の壁を超えそうな場合は、思い切って年収150万円を大きく超える年収を目指すのも、ひとつの方法でしょう。
 

出典

全国健康保険協会 協会けんぽ 被扶養者とは?
全国健康保険協会 協会けんぽ 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)
厚生労働省 令和4年度雇用保険料率のご案内
東京都主税局 個人住民税
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 No.1199 基礎控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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