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残業をすると社会保険料が上がる? 保険料の計算方法を分かりやすく解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月29日 11時0分

残業をすると社会保険料が上がる? 保険料の計算方法を分かりやすく解説

会社員の基本給によって決定されると「勘違い」されがちな社会保険料。実は残業することによって社会保険料が増えてしまう可能性があることをご存じでしょうか。   ただ、社会保険料に影響するのは4~6月の給料に反映される残業です。知らないうちに社会保険料が増えてしまわないよう、保険料が決定される仕組みと働き方への理解を深めておきましょう。   本記事では、社会保険料が決まる仕組みと残業による影響を解説します。社会保険料が高いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

社会保険料は標準報酬月額で決定される

会社員が納める社会保険料は、「標準報酬月額」で決定されます。標準報酬月額とは会社員の給与から求められる社会保険料を計算する際の基礎となる金額です。
 
標準報酬月額の金額に合わせて、図表1のように厚生年金は1~32等級、健康保険は1~50等級に分類されます。この等級によって納める社会保険料が算出されます。
 
【図表1】

図表1

 
出典:全国健康保険協会 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
 

標準報酬月額は4~6月の賃金で計算される

納付する社会保険料の金額は、毎年9月に見直されます。これを「定時決定」といい、7月1日時点に在籍している会社で4~6月に支払われた報酬によって求められます。
 
計算の基礎となる報酬には、給与や残業手当、家族手当などが含まれるため、残業時間が増えるほど社会保険料が高くなるのです。
 

昇給によって変動する場合もある

会社員の給与は、昇給などによって年度中に変動する場合があります。このような給与に大きな変動が生じた場合は「随時改定」が行われ、定時決定前に社会保険料が改定されます。
 
昇給や降給などによる改定は、固定賃金がこれまでの標準報酬月額と「2等級以上の差が生じた場合」に行われます。固定賃金には、前述した給与や残業手当、家族手当などが含まれます。なお、給与計算の対象となる月のうち、支払基礎日数が17日未満の場合は対象外となります(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は、支払基礎日数が11日未満の場合は対象外)。
 
9月以外で社会保険料が大きく変動したことに疑問がある場合は、勤務先へ随時改定が行われたか確認してみましょう。
 

保険料によって受けられる保障は基本的に変わらない

納付する保険料によって受けられる保障は基本的には変わりません。そのため、可能な限り4~6月の残業手当を減らし、社会保険料の納付金額を減らした方が負担軽減につながるケースが多いでしょう。
 
なお、厚生年金の受給金額は「標準報酬月額」によって決定されるため、保険料を減らすことで将来に受給できる年金が減ってしまう可能性があります。
 
ただ、手取り金額を減らしたくない人にとっては、保険料を減らす方法も有効的な手段の一つです。「今」使いたい金額と「将来」に受け取る金額から、自身に合った最適な方法を選びましょう。
 

残業を減らすと社会保険料を下げられる

会社員の社会保険料は4~6月の賃金によって決定されるため、該当月に影響する時期に残業をすると社会保険料が上がってしまいます。固定給の変動がなければ、基本的に社会保険料の改定が行われないため、該当月付近で残業をする際には注意が必要です。
 
また、納付する保険料によって受けられる社会保険の保障は基本的に変わりません。「健康保険で受け取れる金額が下がってしまうかもしれない」と心配をされている方はご安心ください。
 
ただし、厚生年金の受給金額には影響を与えてしまう可能性があるので、残業で社会保険料を減らす際は将来の受給金額を試算することが大切です。
 
将来の年金が減ったり、毎月の手取りが減ったりすることで驚かないようにするためにも、事前にシミュレーションしておきましょう。
 

出典

全国健康保険協会 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
日本年金機構 定時決定(算定基礎届)
日本年金機構 随時改定(月額変更届)
 
執筆者:東本隼之
2級FP技能士

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