iDeCoとつみたてNISAのメリット・デメリットは? 併用は可能なの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年9月29日 13時0分
掛金全額の所得控除や受取時の控除、分配金や譲渡益の非課税など、iDeCoとつみたてNISAは、どちらも税制上の優遇措置が設けられています。そのため、多くの方が効率のよい資産形成のために活用をしています。 そこで、iDeCoとつみたてNISAの両方をやりたいけどメリットとデメリットを知りたい、この2つは併用できるのか、と思う方もいるでしょう。 本記事では、iDeCoとNISAの特徴やメリット・デメリット、併用の可否などについて解説をします。
iDeCoとは
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づいた私的年金制度のことです。自分で掛金を拠出して、運用方法を自分で選択し、老後に向けて資産形成を行います。20歳以上65歳未満の方で、国民年金の被保険者であれば、誰でも加入できます。
iDeCoで形成した資産を引き出せるのは、原則60歳以降です。受取方法は、一時金または年金のどちらかを選択します。また、一時金と年金を組み合わせて受け取ることもできます。iDeCoは税制上の優遇措置が設けられているため、多くの方が活用しています。
iDeCoのメリット
iDeCoのメリットは、以下の税制メリットを受けられることです。
・掛金が全額所得控除
・運用益が非課税
・受取時の控除
iDeCoは、掛金全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税を軽減できます。運用益についても、預貯金の利息や個人での上場株式の配当金には20.315%(所得税、住民税、復興特別所得税)の税金が課されますが、iDeCoは運用益が非課税となります。
受取時は、一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除の対象です。税制メリットを受けられるため、効率よく資産運用ができます。
iDeCoのデメリット
一方、iDeCoのデメリットは、次のとおりです。
・60歳まで引き出せない
・手数料がかかる
iDeCoは、原則60歳まで資産を引き出せません。そのため、生活資金は投じないようにしてください。また、加入時・移換時手数料や口座管理手数料、給付事務手数料、還付事務手数料などの各種手数料がかかりますので、iDeCoの口座を開設する前に確認しておきましょう。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは、2018年1月からスタートした、長期・積立・分散投資を支援する非課税制度のことです。専用の口座から購入した投資信託の分配金や譲渡益が、最長20年間非課税となります(年間非課税投資枠は40万円)。
日本在住の20歳以上の方であれば、つみたてNISAの口座を開設できます。つみたてNISAの対象となる投資商品は、「販売手数料ゼロ(ノーロード)」や「信託報酬一定水準以下」など、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAのメリット・デメリットもチェックしましょう。まずは、つみたてNISAのメリットは次のとおりです。
・分配金、譲渡益が非課税
・少額から始められる
・買うタイミングを迷わない
・いつでも引き出し(換金)ができる
iDeCoと同様、通常は分配金や譲渡益に20.315%の税金がかかるところが、つみたてNISAも20年間は非課税となります。また、毎月100円や1000円などの少額から始められて、積立設定ができるため、買いのタイミングで迷うことがありません。
つみたてNISAのデメリット
一方、つみたてNISAのデメリットは、次のとおりです。
・選べる投資商品が限られている
・元本割れのリスクがある
つみたてNISAの対象となる商品は、金融庁により「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」と定められ、「販売手数料ゼロ(ノーロード)」「信託報酬一定水準以下」「分配頻度が毎月でないこと」などの要件を満たした投資信託です。そのため選べる商品が限定されており、投資できる数はそれほど多くありません。
また、つみたてNISAを利用すると税制メリットがありますが、必ずしも利益が出るわけではありません。選択する投資商品や売買タイミングによっては、元本割れとなるリスクがあるので注意してください。
iDeCoとつみたてNISAは併用できるのか
iDeCoとつみたてNISAは、併用が可能です。60歳以降に資産を引き出せるiDeCoで老後資金を形成しながら、いつでも資産を引き出せるつみたてNISAで積立運用を行えます。
どちらも、分配金や譲渡益が非課税となるため、効率よく資産を形成できます。例えば、「iDeCoは老後資金」「つみたてNISAは子どもの教育資金」というように、目的に合わせた使い分けが可能です。
将来に向けてiDeCoとつみたてNISAで効率よい資産運用を!
iDeCoとつみたてNISAは併用が可能です。併用するには金融機関は同じでなくてはいけないのかというとそうではなく、「同じ金融機関がよい」「別々の金融機関にしたほうがよい」というものもありません。なお、iDeCoとつみたてNISAは別口座で運用することになるため、併用する場合は2つの口座を持つことになります。
iDeCoとつみたてNISAは、どちらも税制上の優遇措置が設けられているため、活用することで効率よく資産運用ができます。将来に向けて、自分の条件や希望に合った金融機関で、iDeCoとつみたてNISAの口座を開設してみましょう。
出典
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト
金融庁 つみたてNISAの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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