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日本の平均賃金が上がらなくなったのは実際いつから?

ファイナンシャルフィールド / 2022年9月29日 11時0分

日本の平均賃金が上がらなくなったのは実際いつから?

日本では「失われた◯年」といわれるようになってから久しいです。2020年は1990年以降の日本経済の停滞を表現し、「失われた30年」といわれます。しかし、日本の平均賃金が上がらなくなったのは1990年代からではありません。

バブル崩壊後も平均賃金は上がっていた

バブル崩壊後に賃金が下がったようなイメージを持たれがちですが、実際はそうではありません。1990年代でも平均賃金は上がっており、1990年と2000年の平均賃金を比較すると5万円程度上昇しています。


・1990年:25万4700円
・2000年:30万2200円

日本のGDPは1998年以降に下がり始めていますが、ボーナスを除いた賃金は下がっていません。2000年頃までは、日本経済は停滞しつつもある程度賃金は上がっていたことがわかります。
 

上がらなくなったのは2002年から

平均賃金が上がらなくなったのは2002年からです。2001年に30万5800円となった後は30万円前後で横ばいになっています。
 
消費税を5%に引き上げた頃から物価も上がらなくなり、本格的なデフレ経済に突入しました。その後はリーマンショックや東日本大震災などがあり、賃金は上向かないまま10年以上経過しています。
 
リーマンショックでダメージを受けたのはアメリカやヨーロッパの金融機関でしたが、株価の停滞が長引いたのは日本です。2011年には日経平均は9000円を割り込み、回復の糸口が全く見えない時期もありました。
 

今後も賃金が上がる可能性は低い

2012年以降、アベノミクスによって多少賃金は上向きました。しかし、その後は消費税増税を2回行ったことや新型コロナウイルス感染症のまん延なども影響して、賃金はほとんど上がっていません。旅行、航空、ホテル業界などは、2022年現在でも苦しい状況が続いています。
 
2021年の平均賃金は30万7400円となっており、20年前の2001年と比べて1600円のみの上昇です。さらに、日本の人口は今後も減っていくため、賃金が上がる可能性は低いでしょう。
 
日本のGDPは世界第3位といわれますが、1人当たりのGDPは上位20位にも入っていません。賃金がほとんど上がらなかった約20年の間に、日本の国際競争力は大きく落ちたといえるでしょう。
 
今後は物価の上昇(インフレ)によって、たとえ賃金が下がらなかったとしても、これまで通りの生活ができなくなる恐れもあります。
 

賃金を上げたいならより一層の努力が必要

日本経済が成長していた1990年までは、平均賃金は最低でも毎年2%ずつ上がっていました。しかし、今後は賃金の上昇は見込めないでしょう。日本はいまだに経済大国だと誤解していては、私たちは豊かにはなれないと思います。
 
自分の賃金を上げたいなら、副業やキャリアアップ、転職などの自助努力も必要です。努力次第で賃金を10%程度増やすことは難しくありません。一方で、努力しなければ日本の経済力とともに賃金の水準も落ちていくでしょう。
 
年功序列や終身雇用を維持している会社でも、今後も維持し続けられるとは限りません。自分の生活水準を保ちたいのであれば、会社に頼らず自分が生き残るための行動が必要です。
 

出典

厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
 
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

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