10月から医療費の窓口負担が「2割」になる人の条件は?
ファイナンシャルフィールド / 2022年10月1日 22時40分
![10月から医療費の窓口負担が「2割」になる人の条件は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_162204_0-small.jpg)
令和4年10月から、75歳以上などで一定以上の所得がある人の医療費窓口負担額が2割に引き上げられます。 施行によって、今まで「1割」「3割」だった負担割合に「2割」が加えられました。 今回は医療費窓口負担が2割になる人の条件などについて解説します。
どんな人達が対象になるの?
75歳以上(65〜74歳で一定の障害の状態である人も含む)のうち、前年の所得額が一定以上の人が対象になります。個人単位では無く、世帯単位で判定されます。
75歳以上単身世帯:「年金収入と、その他の合計所得金額」が200万円以上
75歳以上が2人以上の世帯:「年金収入と、その他の合計所得金額」が320万円以上
「年金収入」には障害年金・遺族年金は含みません。「その他の合計所得金額」は、給与収入・事業収入などから給与所得控除などを差し引いた後に残った金額にあたります。
(住民税非課税世帯は1割負担です。)
医療費負担の割合は、毎年変わるの?
世帯単位で、前年の「課税所得」・「年金収入とその他の所得金額の合計額」をもとに、毎年判定されます。
後期高齢者医療広域連合・市町村から、窓口負担割合が記載された保険証が毎年1回郵送されます。
75歳以上の人は、家族の健康保険の被扶養者にできるの?
75歳以上の全ての高齢者は後期高齢者医療制度に移行されるため、今まで家族(子供など)の健康保険の扶養に入っていても、75歳になった時点で扶養から外れます。(扶養から外す手続きが必要です。)
逆の場合でも同じです。例えば、保険加入者である世帯主Aさんが74歳、家族Bさんが70歳で扶養家族だった場合、保険者Aさんが75歳になった時点でBさんは扶養から外れて国保などへの加入手続きが必要です。
医療費負担が上がると、家計が困ります。何か救済措置はあるの?
令和7年9月30日まで、医療費負担増加額を抑える軽減措置が行われます。(図表1)
この措置を受けるには、払い戻し先となる高額療養費の口座を登録することが必要で、対象者には申請書類が市町村などから郵送されています。
【図表1】
<配慮措置について>
Q:窓口負担が増加することに対する配慮措置などはありますか?
A:今回の変更で、今までより負担額が増加する方が必要な受診を控えてしまったりしないように、令和7年9月末までの配慮措置が設けられています。
窓口負担が2割となる方については、今回の見直しに伴う負担増加額を1か月につき最大3000円までに抑えます。ただし、入院の医療費はこの対象外となります。
Q:一旦負担増加額が3000円となったら、配慮措置として、次回以降、同じ月の診療ではそれ以上は請求されないのですか?
A:同一の医療機関での受診については、上限を超えた額を窓口で支払う必要はありません。
このため、1ヶ月の負担増加額が3000円となったら、同月中のそれ以降の診療においては、1割負担分のみお支払いいただくことになります※1、2。
これにより、1割負担の場合と比べた負担増加額を3000円までに抑えます。
複数の医療機関での受診に関しては、保険者において自己負担額を合算した上で、後日、1か月の負担増を3000円までに抑えるための差額を高額療養費の口座に払い戻します。
※1 通常の外来医療の窓口負担の上限額(月18000円)に達した場合には、それ以上窓口でお支払いいただく必要はありません。
※2 公費負担医療及び特定疾病療養(マル長)を受けられた場合、これらにかかる自己負担には、既に制度毎に別の上限が設けられていることから、同一の医療機関の受診であっても窓口での配慮措置の対象とはなりませんが、1ヶ月の自己負担増が3000円までになるよう、後日、差額を払い戻します。
出典 厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等について
まとめ
厚生労働省によると75歳以上の高齢者数は令和3年度の1880万人で、令和7年度には2180万人になると試算されています。今後、負担割合増加の対象者が増えてくることも予想されます。
老後の医療費などの負担に貯蓄などで備えると同時に、健康をなるべく維持できるように生活するのが良いでしょう。
出典
厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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