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学校教員はブラック?ホワイト?給与と労働時間から考えてみた!

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月5日 22時20分

学校教員はブラック?ホワイト?給与と労働時間から考えてみた!

学校教員は全体的に労働時間が長く、「ブラックだ」ともいわれています。しかし、授業が6時間目まである日でも、終業時間は早いため、ホワイトであると考える人もいるかもしれません。   しかし、授業が終わった後の部活動の指導や書類の作成や翌日の授業の準備など、実際には残業に当たる部分がかなり多いとも考えられます。そこで、今回は、給与と労働時間などのデータをもとに学校教員の仕事について考察していきます。

1週間で60時間以上働いている教員は全体の半数以上


 
連合(日本労働組合総連合会)は2018年10月、「教員の勤務時間に関するアンケート」の結果を公開しています。これによれば、1週間の総労働時間が60時間を超えていると回答した教員は全体で53.4%でした。世代別で見ると、最も最も多かったのは30代で64.3%、最も最も少なかった60代以上でも44.2%という結果が出ています。
 
労働基準法では、月45時間を超える残業をさせてはいけないことになっています。1週間当たりにすると、残業可能な上限は11.25時間です。1日の労働時間を8時間として1週間に5日働いた場合、上限の残業時間を加算しても51.25時間までしか働かせることはできません。
 
「教員の勤務時間に関するアンケート」の結果を見ると、最も長い時間働いている教員は週80時間を超えています。こうして見ると、学校教員の仕事は「ブラック」であるといえます。
 

労働時間が長い分は給与に反映されているのか?

労働時間が長いなら、その分は給与に反映されていなければなりません。そこで、文部科学省がまとめた「勤続15年の国公立教員給与の国際比較(初等教育) 購買力平価による米ドル換算(財務省配付資料P16)」を参考にしてみましょう。この資料によると、日本の教員の年間法定給与額は4万5515ドルです。これを1ドル144円(2022年9月30日時点)として円換算すると、年収はおよそ655万4160円になります。
 
この資料は日本、米国、イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、スウェーデンの7カ国で比較したものですが、日本はドイツに次いで2番目に高いという結果が出ています。最も低いのはスウェーデンの2万8743ドルで、日本円にすると413万8992円ほどです。
 

実際には学校によって内情は大きく異なる

今回参考にした資料はあくまで全体のアンケートなので、実際には学校によって変わってきます。中には、労働環境を改善できている学校もあるかもしれません。しかし、1週間に60時間を超えて働いているということは、毎日12時間以上も働いているということです。
 
たとえ給与で補われている部分があるとしても、労働時間が長過ぎるとそれだけ健康面にも影響が出やすくなります。十分な休養を取ることは、心身ともに健康を維持するためには必要不可欠です。プライベートの時間も削られることになるため、このままで良いとはいえません。早めの是正が必要でしょう。
 

日本の学校教員の労働時間は長過ぎて過酷

実際にはどのような状況で労働時間が長引いてしまうのかは、学校や教員によって異なります。しかし、全体のアンケートを見る限り、現状のままにしておいて良いとはいえません。実際に長時間労働の教員が半数を超えているという事実が出ているため、もう少し踏み込んで働く環境を改善していく必要があるのではないでしょうか。
 

出典

日本労働組合総連合会 教員の勤務時間に関するアンケート

厚生労働省 労働基準法素朴な疑問Q&A

文部科学省 (9)勤続15年の国公立教員給与の国際比較(初等教育)購買力平価による米ドル換算

三井住友銀行 リアルタイム為替レート(2022年9月30日)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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