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弁護士でも低収入な場合もあるの?その3大理由を解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月7日 9時30分

弁護士でも低収入な場合もあるの?その3大理由を解説

弁護士法では「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」(1条)と定められています。この条文の通り、弁護士は社会になくてはならない仕事であると同時に、負う責任も非常に重いです。それだけに、責任に対し相応の年収があってしかるべきでしょう。しかし、実際はそううまくいかない部分もあるようです。   本記事では、弁護士でも低収入な場合があるという事実をデータから読み解いてみます。

弁護士の年収事情を調べてみた

日本弁護士会連合会が公表している「弁護士白書 2021年版」をもとに、弁護士の年収事情を調べてみました。弁護士の所得全体の全国平均値および中央値は以下の通りです。

●平均値:1119.1万円
●中央値:700万円

だいたい、700万円程度もらっていたら中の中、といったところでしょう。しかし、この水準を大幅に下回る弁護士も一定数います。「弁護士白書 2021年版」によれば、調査対象となった弁護士のうち12.9%にあたる弁護士が「所得は200万円未満」と答えていたのです。
 
「所得は500万円未満」と答えた弁護士も含めると、全体の31.9%にも達します。すべての弁護士が高収入である、とは言えないようです。
 

弁護士でも低収入な場合がある3大理由


 
なぜ、このように収入の低い弁護士も存在するのか、考えられる理由を解説します。
 

1.営業活動のうまさで差がつく

弁護士であっても、企業の法務部門に社員として勤めるなど、安定継続した収入が得られる場合以外は、案件を獲得しなくてはいけません。そのためには、他の仕事と同じように営業活動が必要になります。
 
しかし、弁護士職務基本規程において「弁護士は、品位を損なう広告または宣伝をしてはならない。」(弁護士職務基本規定第九条)と定められているため、自由に営業活動もできないのが実情です。
 
弁護士職務基本規程に抵触しない形で、差別化を図っていくのが現実的な取組になるでしょう。事務所のWebサイトの完成度を高めたり、SNSの集客に力を入れたりしている弁護士も散見されます。実際はできる範囲で営業活動をしている弁護士もたくさんいますが、取り組みが常に実を結ぶわけではありません。どんなに頑張っても依頼者や顧問先を獲得できなければ、収入を上げるのは難しいでしょう。
 

2.高齢でも第一線で活躍する人もいる

基本的に弁護士は体力が続く限りは高齢になっても第一線で活躍し続けられます。ほかの業種と共通する点でもありますが、弁護士として長年働き続けるほどに知識や経験も豊富になるため、70代、80代になっても依頼者の弁護を引き受けたり、顧問を務めたりするケースもめずらしくないでしょう。
 
2021年版の弁護士白書によれば、調査対象となった弁護士(4万3206名)のうち、70歳以上の弁護士は5929名(男性5565名、女性364名)でした。全体の1割強を占めている計算になります。
 

3.弁護士が増えているのに訴訟が減っている

弁護士が増えているのに訴訟が減っているのも、低収入な弁護士が現れる原因です。その年に新たに簡易裁判所で提起された訴えの件数から、訴訟が減っている事実を見てみましょう。2009年には65万8277件だったにもかかわらず、2017年には33万6383件にまで減りました。
 
一方、弁護士の数は2009年には2万6930人だったのに対し、2017年には3万8980人にまで増えています。つまり、弁護士が増えているのに訴訟が減っている以上、弁護を引き受ける機会も減っていると考えられます。
 

「年収が高そうだから」だけで目指すのはおすすめしない

同じ弁護士でも年収1億円という人もいれば、年収が400万円未満という人もいるというのが実情です。実際に弁護士は増え、訴訟は減っているという現状も踏まえると、「弁護士なら収入も高いはず」と安易な気持ちで目指すのは決しておすすめできません。
 
弁護士を志す以上「困っている人の役に立ちたい」「社会正義を実現したい」という気持ちはほとんどの人が持っているはずです。しかし、それだけでは高年収どころか、生活を維持できる収入を得るのも危ういかもしれません。弁護士も1つのビジネスであると考え「どうすれば顧客を安定的に獲得できるか」を見据えて行動する能力も、今後の税理士には求められるでしょう。
 

出典

日本弁護士連合会 弁護士白書 2021年版
e-Gov法令検索 弁護士法
日本弁護士連合会  近年の弁護士の活動実態について(「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査2020」を元に) 
LIBRA Vol.14 No.3 2014/3 弁護士の業務広告の現状と課題
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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