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【江戸時代も令和も変わらない!?】税の「国民負担率」を江戸時代と現代で比べてみた!【五公五民】

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月16日 2時40分

【江戸時代も令和も変わらない!?】税の「国民負担率」を江戸時代と現代で比べてみた!【五公五民】

江戸時代は徳川幕府が全国統一した時代でしたが、幕府が一括して税制度を管理していたわけではなく、各地で異なる税の種類や税率で課税が行われていました。   そのため、一概に現代との比較はできませんが、当時の「税」の基本は今でいうところの「固定資産税」のようなものです。すなわち、土地を基準に課税される「年貢」が税の基本だったのです。   では、現代と比べて江戸時代の税の負担はどの程度だったのでしょうか。検証してみましょう。

江戸時代の「税」の種類

江戸時代の主な納税者は国民の約8割を占めたとされる農民です。農民は田畑に対して課税され、この田畑にかけられる税を「年貢」といいます。
 
納税の方法は現代のように現金ではなく、課税対象とされる田畑で採れた作物、すなわち米が基本です。これを「米本位制」といい、当時の経済力はすべて米の生産能力で計算されていました。
 
このように、田畑に対する基本的な税を「大年貢」または「本途物成(ほんとものなり)」といいます。ただし、大年貢はあくまで農民が納める税の基本に過ぎず、農民はほかにも税を納めていました。
 
例えば、本途物成に対して「小物成(こものなり)」という税があります。これは田畑以外の土地の特産品にかかる税です。
 
また、米で納める年貢のほかに、「夫役(ぶやく)」や「国役」「村役」といって、いわゆる労働力で支払う種類の税も当時の社会では一般的でした。こうした税をまとめて「諸役」といいます。
 
こうした税は主に農民にかけられる税ですが、農民だけではなく商工人にも当然のごとく税は賦課されます。商工人に対しては、営業税のようなものがかけられていました。「運上金」や「冥加(みょうが)金」などと呼ばれ、特定の仕事に対して課税されていました。
 

江戸時代の税の負担はどれくらい?

江戸時代の税の基本は田畑であったため、その田畑に対していくらの税を賦課するかは、主に検知によって田畑の価値を調査する必要がありました。
 
「検地」とは、領主が田畑の状態や収穫見込みなどを調べる土地調査のことです。検地によって割り出された土地の石高、すなわち米の収穫高は、年貢や緒役を課税する際の基準として用いられることになります。
 
では、実際の税の負担はいくらだったのかといえば、江戸時代を通じて統一した税率というものはありませんが、江戸時代初期においては毎年の収穫量に応じて納める年貢が決められていたようです。
 
農民が負うべき税の負担は「五公五民」を基準としており、すなわち収穫の5割が税として徴収され、残りの5割が手元に残りました。もちろん、「五公五民」は江戸時代を通じた税率ではなく、時代によっては農民の税の負担は3割程度だったこともあるようです。
 

現代と比べて江戸時代の税の負担は重いのか

江戸時代の税の負担を「五公五民」か、あるいはそれより軽いものとして想定した場合、現代と比べて税の負担は重かったのでしょうか。
 
財務省が毎年公表している、社会保障も含めた税金を国民がどれだけ負担しているのかを表した指標、「国民負担率」で比べてみましょう。令和4年2月に公表されたデータによれば、日本の国民負担率は令和2年度の実績数値で47.9%です。
 
ほぼ50%だと考えると、江戸時代の「五公五民」と一致します。つまり、現代の国民が背負う税の負担と、江戸時代の人々が背負っていた税の負担はほとんど同じだということです。
 

今も昔も日本国民の税の負担は重い?

税の負担という観点から見ると、江戸時代も現代もほとんど変わらないということが分かりました。しかし、江戸時代は米を直接納める年貢だけではなく、労働力を提供する諸役もあったことを考えると、一概に同等とはいえないのかもしれません。
 
一方、前述した国民負担率も、財政赤字の負担を含まない表面的な数値です。財政赤字を含めた潜在的な国民負担率は令和2年度の実績で62.8%になります。そう考えると、今も昔も日本の税の負担は変わらず重いといえるのかもしれません。
 

出典

国税庁 1.江戸時代の税
財務省 令和4年度の国民負担率を公表します
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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