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「民間平均給与」が3年ぶりの増!でも世界と比べると「豊かではない」って本当?

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月19日 23時0分

「民間平均給与」が3年ぶりの増!でも世界と比べると「豊かではない」って本当?

国税庁の発表によると、令和3年の民間給与の平均が3年ぶりに増加したとのことです。喜ばしいニュースではありますが、一方で豊かさを実感できないという声が少なくありません。そこで、この記事では、世界と比較して日本の平均収入や国内総生産(GDP)はどのような位置づけになるのか確認し、日本が本当に豊かなのかどうか見ていきます。

令和3年の民間給与平均は3年ぶりに増加


 
2022年9月28日に国税庁が公表した令和3年分の「民間給与実態統計調査結果」によると、民間給与の平均は443万円で3年ぶりの増加となりました。前年比10万2000円、2.4%の増加で、これは新型コロナウイルスの感染拡大前と同じ水準です。新型コロナ感染拡大の影響を受けた企業の業績が復活したことにより、そこで働く従業員の給与に反映されたことが主な要因だと考えられます。
 
このように給与の平均は上昇していますが、令和4年は物価の上昇が賃上げを上回り、実質賃金は下がったため生活の苦しさは変わらないという人がいるのも現実です。日本は世界と比較すると相対的に貧しくなっているという声もよく聞くようになりました。そこで、世界的に見て、日本のGDPや平均年収はどれくらいの位置づけになるのかを確認していきます。
 

日本が「世界3位の経済大国」というのは本当か

日本の名目GDP(国内総生産)は、2010(平成22)年に中国に抜かれて以来、11年連続して世界3位です。GDPとは、一定期間に国内で生み出された付加価値の合計を指します。この付加価値が分配されて国民それぞれの所得になるため、GDPは国の豊かさを表す指標となるものです。
 
ただし、この名目GDPのランキングは、為替レートに基づき米ドル換算で並べられたもので、各国の物価の違いは考慮されていません。国の豊かさを比較するためには、各国の物価の状況も考える必要があります。そこで物価の違いを考慮する「購買力平価」でGDPを換算して再度順位を見てみると、日本はインドに抜かれて世界4位となります。
 
さらに、どんなに国のGDPが大きくても、1人当たりGDPが小さければ、国民が豊かだとは言えません。国のGDPが同じ規模であっても、人口規模によって国民の豊かさは異なります。そこで、国民の平均的な豊かさを表す指標として、「1人当たりGDP」が用いられます。1人当たりGDPを国際通貨基金(IMF)のデータで国際比較してみると、令和2年の日本は世界30位です。
 
このように見ていくと、日本は世界の中で経済全体の規模としては相変わらず上位にいますが、国民1人ずつの豊かさという点ではあまり高くはないという実態が分かってきます。
 

日本人の平均年収は世界25位

国民の豊かさは、平均年収で比較するとより分かりやすくなります。経済協力開発機構(OECD)のデータを見ると、2021年における日本の平均年収は米ドル換算で3万9711ドル、世界ランキング25位でした。1位のアメリカは7万4738ドルですから、かなりの差が開いているという状況です。しかも、日本の順位は年々下がる傾向にあります。
 

豊かさを実感できない人が増えている

民間給与の平均が3年ぶりに増加したというのは明るいニュースです。しかし、1人当たりのGDPや平均年収などを世界と比較すると、日本は個々の国民が豊かさを実感できない状況に年々陥っているとも言えます。日本と各国の平均年収の差を知って危機感を抱いた人も少なくないでしょう。令和4年には物価上昇も相次いでおり、事態が今よりも悪くならないとも限りません。常に生活防衛をする方法を考えておきましょう。
 

出典

国税庁 民間給与実態統計調査結果

総務省統計局 消費者物価指数(CPI)

IMF World Economic Outlook Database April 2021

OECD 平均賃金 (Average wage)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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