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夫・妻との「死後離婚」を行ったら、遺族年金の受給権はなくなってしまうの?

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月20日 11時30分

夫・妻との「死後離婚」を行ったら、遺族年金の受給権はなくなってしまうの?

亡くなった夫や妻との死後離婚を考えているが、遺族年金の受給権への影響を鑑みて踏み切れない方もいるようです。今回は、死後離婚と遺族年金の受給権について解説していきます。

死後離婚とは

死後離婚とはいっても、亡くなった相手と離婚するものではありません。日本の法制度上、亡くなった配偶者と離婚はできないことになっており、配偶者の死後も、その親族との姻族関係は継続します。
 
死後離婚とは法律用語ではなく、いわば造語で、一般的には亡くなった配偶者の親族との姻族関係(結婚によって生じた親族関係)を終了させる手続きのことを指します。
 
死後離婚は手続きを行う方(生存配偶者)の本籍地または所在地の市区町村役場に、姻族関係終了届書を提出して行います。
 
なお、死後離婚をしても亡くなった配偶者の親族との姻族関係が終了するにとどまり、自身の氏(苗字)が婚姻前に戻ったり、戸籍に変更があるわけではありません。
 

死後離婚をすると遺族年金の受給権がなくなる?

死後離婚をすると、遺族年金が受け取れなくなると思っている方もいるかもしれませんが、死後離婚後も遺族基礎年金、遺族厚生年金のどちらも問題なく受け取ることができます。なぜなら、遺族年金は亡くなった方の遺族に支払われるものだからです。
 
死後離婚は、あくまでも亡くなった配偶者の親族との姻族関係を終了させるもので、死後離婚をしても亡くなった配偶者の遺族であることは変わらないため、遺族年金の受給権を失うことにはならないのです。
 
また、遺族年金ではありませんが、同様の理由から配偶者の財産を相続する場合にも影響はありません。つまり死後離婚をしても、亡くなった配偶者の相続人として財産を相続できるということです。
 
ただし、被相続人の財産に対する一切の相続権を放棄したいという場合は、死後離婚ではなく相続放棄の手続きを行う必要があります。
 

死後離婚における注意点

死後離婚によって終了するのは、自身と亡くなった配偶者の親族との間の姻族関係で、配偶者との間の子と、血縁がある義理の父母(子にとっての祖父母)などとの親族関係は終了しません。
 
そのため、義理の父母など亡くなった配偶者の親族の相続においては、自身の子が相続人となる可能性があるなど、子と義理の親族との関係は継続していきます。
 
また、死後離婚を行ったことを義理の父母などに知られてしまうと、相手の心情によってはその後の付き合いに影響が出る場合があります。さらに、死後離婚は一度行うと取り消しをすることができません。
 
こういった点から仮に死後離婚について考えていても、安易に実行するべきではないといえるでしょう。
 

死後離婚を行っても遺族年金の受給権は失わない

死後離婚は、亡くなった配偶者の親族との姻族関係を終了させる手続きであり、配偶者との関係を解消する手続きではないため、死後離婚を行っても遺族年金の受給権を失うことはありません。
 
しかし、死後離婚は取り消すことができず、手続きをしてしまったら姻族関係を元に戻すことはできません。死後離婚については、本当に必要なのか、慎重に考えた上で行うようにしてください。
 

出典

大阪市 姻族関係終了届
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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