「地震保険」の総支払限度額は?あらためて地震保険について理解しましょう!
ファイナンシャルフィールド / 2022年10月21日 11時20分
![「地震保険」の総支払限度額は?あらためて地震保険について理解しましょう!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_165037_0-small.jpg)
日本は世界でも有数の「地震大国」といわれています。地震災害は、発生時期や発生頻度の予測がしにくく、さらに損害規模が甚大になることも想定され、巨額の支払保険金が必要となる恐れがあります。 そのため、地震保険は、政府が再保険という形で損害保険会社をバックアップすることで成り立っています。 ここでは、あらためて地震保険の仕組みを理解するとともに、現状での加入状況や過去の実績、保険料の改定などについて確認してみたいと思います。
1回の地震による保険金の総支払限度額は12兆円
地震保険は、一定規模以上の支払保険金が生じた場合、損害保険会社が負担する保険金の一部を政府が負担する再保険制度で成り立っています。
しかし、地震災害の規模は予測が困難であるため、1回の地震により損害保険会社が負担する保険金には総支払限度額が設定されており、2021年4月以降は12兆円となっています。
そして、損害保険会社と政府との間では、超過損害額再保険方式による再保険契約が締結されており、それぞれの責任分担は民間(損害保険会社)が2249億円、政府が11兆7751億円とされています。
過去の地震再保険金の支払状況(2022年3月31日現在)について、支払額が多い上位5件は図表1のとおりです。
図表1
日本地震再保険株式会社 「地震再保険金支払状況」より筆者作成
過去最多の支払再保険額となる東日本大震災においても、現状で約1兆3000億円の支払額となっています。
地震保険の世帯加入率は33.9%
地震保険の契約件数および世帯加入率は年々上昇の傾向にあり、2020年度の統計では契約件数は約2015万件で、世帯加入率は33.9%となっています。
また、都道府県別の世帯加入率を確認してみると、上位は宮城県の51.9%、熊本県の43.5%、愛知県の43.3%となっており、過去に大きな地震の被害を受けた地域や、南海トラフ地震など今後に大規模な地震災害の発生が想定される地域での加入率が高くなっています。
地震保険は、居住の用に供する建物または家財を対象として、火災保険とセットで契約することとなっており、地震保険のみ単独で契約することはできません。2020年度の住宅についての火災保険契約に対する地震保険契約の付帯率は、68.3%となっています。
つまり、地震保険の加入状況としては3世帯に1件が契約しており、火災保険の契約に対しては、3件に2件が付帯して契約していることとなります。
2022年10月以降の地震保険料の改定
最近では2017年1月から3回に分けて、段階的に地震保険料の改定が実施されていますが、2022年10月以降の保険開始期となる契約からは、保険料不足の解消や各種基礎データの更新を反映した改定が行われています。
都道府県別、建物の構造別の年間保険料の事例は以下のとおりです。
図表2 保険期間1年、地震保険金額1000万円当たり、割引適用なしの場合(単位:円)
損害保険料率算出機構 「地震保険基準料率 届出のご案内」より筆者作成
今回の改定では、全国平均で0.7%の引き下げとなっていますが、徳島県、高知県、茨城県、埼玉県での値上がりが顕著であることも見て取れます。
まとめ
大規模な地震災害がいつ、どこで発生するのか正確に予測することは誰にもできません。ただし近い将来、高い確率で大規模な地震災害が発生することは間違いないといわれています。
私たちにとって重要なのは、地震保険についての理解に限らず、災害に対する備蓄品の装備や災害時の行動の確認など、平時からの周到な対策や準備といえるでしょう。大規模な地震災害に対して「正しく恐れ」、「正しく備える」ことが大切です。
出典
日本地震再保険株式会社 地震再保険金支払状況
損害保険料率算出機構 地震保険基準料率 届出のご案内
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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