2022年10月より、地域別最低賃金が引き上げに! 期待できる効果や関連する助成金をFPが解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年10月22日 12時20分
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10月1日より、順次改定されている地域別最低賃金。都道府県ごとに毎年見直されるものですが、今回の改定では過去最大の引き上げ幅となっており、注目を集めています。 この記事では、地域別最低賃金の概要や引き上げの背景、期待できる効果などを解説します。 また、人件費の負担増加が懸念される中長企業向けの支援についても紹介するので、参考にしてみてください。
地域別最低賃金とは
地域別最低賃金とは、労働者に支払われる1時間あたりの賃金(時給)の最低金額を、都道府県ごとに定めたものです。
地域別最低賃金は最低賃金の一種で、このほかに、特定地域内の特定産業(北海道の乳製品製造業や愛知の自動車小売業など)に定められる「特定最低賃金」があります。今回引き上げられたのは地域別最低賃金です。
日本の最低賃金は「最低賃金法」により定められており、事業者は最低賃金以上(地域別最低賃金と特定最低賃金のいずれか高い方)の賃金を支払わなければなりません。最低賃金以上の金額を支払わない場合は50万円以下(特定最低賃金では30万円以下)の罰金が定められています。
最低賃金は、主にパートやアルバイトなどの非正規労働者の労働条件を改善することにより、生活の安定や生産性を向上させ、経済を発展させることを目的としています。
最低賃金の引き上げにはどんな背景や効果がある?
日本では2017年に決定された「働き方改革実行計画」の一環として、「最低賃金を年3パーセント程度引き上げ、全国平均を1000円まで向上させること」を目指しています。
現在は、この計画をベースに毎年最低賃金が見直されており、今回の改正では、全国の平均賃金(加重平均)は961円となりました。昨年の930円から31円のアップとなり、これは過去最高の引き上げ幅です。
このような大幅な引き上げに至った背景は、直近の物価高が大きく関係しています。
2022年4月以降、食料品や電気代・ガソリン価格が高騰しており、物価上昇に賃金上昇が追いつかなければ、家計を圧迫してしまう状況が続いています。最低賃金の引き上げは、このような環境下で、賃金の実質的な価値を維持・向上させる効果が期待されているのです。
そもそも、日本の給与水準は先進国の中でも低く、国際的な観点でも、最低賃金の引き上げは重要な役割を果たしています。
賃金を引き上げた中小企業には最大600万円の助成金も
とはいえ、賃金引き上げには事業者側の負担が伴います。特に中小企業への影響は大きいでしょう。
このような点に配慮して、国は最低賃金の引き上げで影響を受ける中小企業に向け、支援事業も行っています。
代表的なものは「業務改善助成金」です。生産性向上のために設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)などを行い、最低賃金を一定以上引き上げた中小企業に対して、設備投資などにかかった費用の一部が援助されます。
助成金の金額は賃金の引き上げ額と引き上げた人数によって異なり、30万~600万円が支払われます。
これ以外にも、生産性の向上などの経営改善に取り組む中小企業向けの相談窓口や、業種別団体向けの助成金が設けられています。
このように、最低賃金を法律で規制するだけでなく、事業者が最低賃金を引き上げやすいような支援も行われているのです。
まとめ
最低賃金は労働者の生活を守るものです。アルバイト、パート、会社員、学生などすべての
労働者が対象となります。最低賃金は法律で定められており、労働者は働いている都道府県の最低賃金をもらう「権利」があるのです。
地域別最低賃金は、厚生労働省の特設サイトで確認できます。自分の賃金が定められた最低賃金以上になっているか、チェックしてみましょう。
出典
厚生労働省 最低賃金制度の概要
厚生労働省 最低賃金制度パンフレット(知っていますか?自分の最低賃金)
厚生労働省 最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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