生活が苦しくて国民年金を支払えない……猶予や免除で受給額はどう変わる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年10月24日 8時0分
![生活が苦しくて国民年金を支払えない……猶予や免除で受給額はどう変わる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_165199_0-small.jpg)
厚生労働省の調査(令和3年度)によると、国民年金の被保険者のうち、未納者は106万人(約1.6%)でした。未納の理由はさまざまですが、コロナ禍の影響で収入や売上の減少に陥る人が増えるなど、経済的な事情で払えない人も少なくないようです。 そういった人たちに対して、国は保険料納付の猶予や免除の利用を推奨しています。猶予や免除を利用した場合に変わるとされる受給額は、どの程度変わるのかをみていきます。
国民年金は払うべき! その主な理由とは
日本国内に住む20~60歳の人は、全員が国民年金に加入する必要があります。ただ、国民年金保険料を支払うべき理由は、加入が義務づけられているからだけではありません。以下の3つの年金が受給可能になる点が重要です。
老齢基礎年金
65歳になると老齢基礎年金を受給できます。満額受給の場合は、令和4年度で月額6万4816円です。なお、老齢基礎年金を受給するには、受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間の合算)が10年以上必要になります。
障害基礎年金
病気やけがで障害を負った被保険者が、規定の要件を満たした場合に受給できる年金です。受給額は障害等級によって異なります。
1級の場合は、年額97万2250円、2級の場合は年額77万7800円が受給可能です。
また、18歳になった後の最初の3月31日までの子、あるいは、20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子がいる場合は、子の加算額も加えられます。
子の加算額は、2人目までが1人22万3800円、3人目以降は1人7万4600円です。なお、当年金は障害等級が3級の場合には受給できません。
遺族基礎年金
被保険者が規定の要件を満たした場合に、その遺族が受給できる年金です。遺族といっても、被保険者に生計を維持されていた「子のある配偶者と子」だけが受給できます。
「子」とは、18歳になった後の最初の3月31日までの子ども、あるいは、20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子どもです。被保険者が死亡当時、胎児だった子も出生以降に対象となります。
受給可能な額は、子のある配偶者が年額77万7800円と子の加算額、子が年額77万7800円と2人目以降の子の加算額です。子の加算額は、1人目と2人目が年額22万3800円、3人目以降は年額7万4600円が加えられます。
国民年金の猶予と免除を利用すると受給額が減ってしまう?
老後の生活費としてだけではなく、万が一の事態が発生した際にも国民年金は有効です。また、保険料納付の猶予や免除を利用した場合にも、各種年金は受給できます。
気になるのは、猶予や免除を利用すると、老齢基礎年金の受給額が減るというデメリットでしょう。どれくらい減ってしまうのかをみていきましょう。
国民年金の保険料納付の猶予
20~50歳未満の被保険者と配偶者の前年所得が一定額以下の場合に利用できる制度です。被保険者が市町村役場に申請書を提出して、承認されると利用できます。
猶予期間は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間に算入されますが、老齢基礎年金の受給額には反映されません。そのため、追納制度を利用しない限り、猶予期間分の年金は受給できなくなります。
国民年金の保険料納付の免除
被保険者、世帯主、配偶者の所得が一定額以下の場合や、失業した場合などに利用できる制度です。被保険者が市町村役場に申請書を提出して、承認されると利用できます。
免除額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類です。どの額になるかは申請者の所得を審査したうえで決定されます。
免除期間は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間への算入だけでなく、老齢基礎年金の受給額にも反映可能です。そのため、猶予のように免除期間分の受給額がゼロになることはありません。
納付を免除された場合の受給額
保険料納付の免除を利用した場合には、全額免除は満額納付した場合の2分の1、4分の3免除は満額納付した場合の8分の5、半額免除は満額納付した場合の8分の6、4分の1免除は満額納付した場合の8分の7の年金が受給できます。
猶予や免除で減った受給額は追納制度で満額に近づけよう
国民年金の保険料は国民の義務として納付する必要があります。また、老齢基礎年金だけでなく障害基礎年金や遺族基礎年金も用意されているため、未納せずに払っておくと安心です。
経済的な事情で払えない場合は、保険料の猶予や免除の利用が推奨されています。どちらも受給額は減りますが、10年以内であれば追納制度を利用して、満額に近づけることも不可能ではありません。
出典
厚生労働省 令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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