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退職金で資産運用がしたい! 注意点は?

ファイナンシャルフィールド / 2022年10月25日 7時40分

退職金で資産運用がしたい! 注意点は?

人生100年時代、定年後の生活は思った以上に長いものです。退職金が出る企業にお勤めの人の中には、退職金の一部を使って資産運用しようと考えている人もいるかもしれません。定年後、退職金を使って資産運用をする場合の注意点を解説します。

投資信託 ~銀行や投資信託が薦める商品でも、気をつけよう~

「退職金を使って資産運用を考える方」といっても、資産運用に関してお持ちの知識や経験について、さまざまなレベルの方がいらっしゃるかと思いますが、今回は定年するまで仕事一筋、資産運用についての知識や経験はまるでない、という初心者の方を想定することとします。
 
資産運用をする対象商品としては、株式、債券、不動産など、いろいろと候補があります。それらの中で、「投資信託」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
投資信託は、本来であれば自分で個々の銘柄やタイミングを見極めて株式投資等をしなければならないのに対して、運用をする銘柄やタイミング等をプロにお任せして、プロが運用した結果の利益を自分が享受する、というタイプの商品です。
 
この投資信託は、前述のとおり運用をプロにお任せすることになるので、初心者でも挑戦しやすいです。その意味では筆者自身、初心者の方が資産運用を始める入り口として、良い候補になると考えています。
 
ただし、投資信託も玉石混交であり、何でも良いということはありません。銀行や証券会社が薦めてくる商品のなかには、購入時に購入手数料が取られてしまうものもあるので要注意です。
 

投資信託には購入手数料がかからない商品もある

「えっ! 投資信託を購入する時に手数料を取られるのなんて当たり前じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は違います。“ノーロード”といって購入時に購入手数料がかからない商品もたくさんあるのです。
 
ネット証券で買える投資信託にはこうした商品が多く、ノーロードの商品を買えば、運用中に運用会社へ手数料が支払われることはあっても、購入時に手数料が取られることはありません。
 
購入時手数料が取られてしまうと、その分本来運用できたはずの金額よりマイナスの金額からスタートすることになります。例えば、購入時手数料3%の商品を100万円買ったら、3万円が引かれて97万円からのスタートです。ノーロードであれば、そのまま100万円の運用ができることを考えたら、大きな不利益です。
 
この購入時手数料は、銀行や(対面の)証券会社が収益を得るために徴収するものです。決して、すべての銀行員や証券会社担当者が悪いというわけではありませんが、ただ自社をもうけさせるために、お客さまに対してこうした仕組みをきちんと説明もせずに、購入時手数料が生じる商品を売りつけてくる担当者も、残念ながら存在します。
 
大切なのは、「銀行だから」「大手の証券会社だから」安心だと何も考えず、うのみにして薦められた商品を買うのではなく、仕組みをきちんと理解しておくことです。
 

不動産投資 ~もはや事業、安易に手を出すことは禁物~

退職金を使っての不動産投資に憧れる方がいらっしゃいます。
 
決して、不動産投資自体が悪いわけではないのですが、空室リスクを見極めての立地・物件の選定や維持、賃借人対応など、さまざまな知識が必要となります。
 
これを、本当にやっていこうとすると、大変な量の勉強や手間ひまが必要となり、それはもはや単なる資産運用ではなく、不動産を対象とした1つの事業、といってもいいぐらいです。
 
しかも、現役時と異なり、本業からの安定した収入が少ないという現実も忘れてはなりません。もしも自身の知識不足が原因となり、見通しが外れて損失を被ったら、そのカバーが現役時よりも難しくなるのです。
 
不動産に関連する資産運用をしてみたいという方は、不動産の運用益を投資家に販売する金融商品である「REIT(リート)」から始めてみることを推奨します。まずはRIETで不動産のことを知り、知識をしっかりと蓄えてから、現物としての不動産への投資を考えはじめても遅くありません。
 

大切なのは、少しずつ分散していくことと、プロへの相談

初心者の方ほどやってしまいがちですが、何か1つの商品あるいは銘柄などに、一度に大量の金額をつぎ込んでしまうことは、避けるべきです。
 
必ず、複数の商品あるいは銘柄などへ分散を心がけるようにしてください。分散には、資産運用としての対象の分散だけでなく、時間の分散も必要です。冒頭で「人生100年時代」と申し上げたとおり、退職金を得てからの人生は、まだまだ長いものとなる可能性があります。
 
その間に、いろいろな事象が原因となり、運用をしている資産の価値に大きな値動きが生じることもあり得ます。ですので、同じタイミングでまとまった金額を一度につぎ込むのではなく、タイミングをずらしながら少しずつ金融商品の買い付けをしていくことも、必須です。
 
退職金を使ってどのような運用をしていくか、ライフプランや相続も踏まえた設計にたけたプロであるファイナンシャルプランナーへの相談も、有用な選択肢の1つです。そしてできれば、退職金が出てからではなく、それを見越して早いうちから計画を練っておくことが望ましいと思われます。
 
執筆者:佐々木達憲
京都市役所前法律事務所弁護士

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