インボイス制度の導入で申請できる補助金とは? 自営業者が活用すべき理由を解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年10月30日 12時10分
![インボイス制度の導入で申請できる補助金とは? 自営業者が活用すべき理由を解説](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_166773_0-small.jpg)
2023年10月1日より導入される「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」。これまで免税事業者であった自営業者やフリーランスへの影響が大きく、話題となっています。 インボイス制度に対応するために新たに「課税事業者」になると、会計ソフトやレジなどのITツール導入にコストがかかりますが、自営業者やフリーランスが活用できる補助金もあります。 本記事ではインボイス制度の概要を解説したうえで、本制度に対応するための補助金制度を紹介します。インボイス制度導入に向けて課税事業者になることを検討している人は、参考にしてみてください。
インボイス制度とは
インボイス制度は、消費税の仕入税額控除を受けるための新たな制度です。
仕入税額控除とは、課税事業者が納める消費税を計算する際に、売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を差し引いて計算する仕組みのこと。インボイス制度導入後は、「インボイス(適格請求書)」という書類が発行された取引のみ、仕入税額控除の対象となります。
このインボイスを発行するには「適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)」として税務署に登録する必要がありますが、登録できるのは課税事業者に限られます。
免税事業者からの請求書では、仕入れにかかる消費税として差し引けないため、課税事業者である取引先は消費税負担が増えてしまいます。
そのため、これまで免税事業者であった自営業者やフリーランスは、取引先からの仕事や報酬が減ってしまう可能性を考えて、課税事業者になることを検討している人は少なくないようです。
しかし課税事業者になると、これまで以上に消費税の計算や管理が煩雑になり、この手間を解消するためにITツールを導入すると、その分コストがかかってしまいます。
このような経緯から、小規模事業者向けにインボイス制度に対応した補助金制度が設けられています。代表的な2つの補助金についてみていきましょう。
インボイス制度に対応した補助金1:IT導入補助金
これはインボイス制度などを見据えたデジタル化を推進するための制度で、会計ソフトやパソコン、タブレット、レジ、券売機などのITツールの導入費用の一部を支援するものです。
IT導入補助金は中小企業・小規模事業者がITツール導入をサポートするための制度ですが、もともとあった通常枠に加えて、インボイス制度などに対応するために、令和3年度補正予算にて「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」が新設されました。
図表1のとおり、導入するITツールにより補助額と補助率が異なります。
<図表1>
※交付の額が50万円超の場合の補助率は、当該交付の額のうち50万円以下の金額については3/4、50万円超の金額については2/3
出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き」
自営業者やフリーランスがこの制度を利用するためには、事務局に登録された「IT導入支援事業者(ITベンダーなど)」から特定のITツールを選定して、補助金の申請を行う必要があります。
インボイス制度に対応した補助金2:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、自ら経営計画を見直して、販路開拓や生産性向上の取り組みを行う小規模事業者を支援する制度です。
補助対象となる経費は、新サービスを紹介するための広告宣伝費や、ウェブサイトやECサイトの構築・改修費用など多岐にわたります。
この制度の特別枠として設けられている「インボイス枠」は、免税事業者から新たにインボイス発行事業者になる事業者を支援するために追加されたものです。
通常枠より補助上限が引き上げられており、最大100万円の補助が受けられます。補助率は通常枠と同じ2/3です。
<図表2>
出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き」
この制度を利用するためには、事業を営む地域の商工会・商工会議所に、申請書や経営計画書などの書類を提出する必要があります。
まとめ
1年後のインボイス制度導入に向けて、そろそろ準備を始めようと考えている自営業者やフリーランスの人は少なくないはずです。
今回紹介した補助金は、インボイス制度導入に対応する小規模事業者をサポートしてくれる制度なので、ぜひ有効活用しましょう。
なお、2つの補助金はどちらも審査があり、それに通らなければ受け取ることはできません。
詳しい申請方法や要件を事務局のホームページなどで調べたうえで、準備することをおすすめします。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.6401 仕入控除税額の計算方法
国税庁 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き
一般社団法人サービスデザイン推進協議会 サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト IT導入補助金
全国商工会連合会 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(一般型)ガイドブック」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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