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若者のお金の使いみちは「税金」!? 10年間の「給与」と「租税負担率」の推移を比べてみた!

ファイナンシャルフィールド / 2022年11月4日 2時40分

若者のお金の使いみちは「税金」!? 10年間の「給与」と「租税負担率」の推移を比べてみた!

「若者の○○離れ」という言葉を耳にすることがありますが、最近の若者は稼いだお金を何に使っているのでしょうか。   その問いへの答えに「税金」と聞くと、首をかしげる人は少なくないでしょう。そこで、税金という答えが出てくる理由を知るために、若者の平均給与と税金の推移を調べてみることにしました。

最近の若者の経済事情を見てみよう

令和2年度の国税庁による「民間給与実態統計調査」によると、25~29歳の給与の平均は約30万円です。そこで、東京で働く都内在住の年収360万円程度の独身会社員をモデルに、年間の所得税、住民税、社会保険料、手取り額を算出してみました。
 
なお、この算出結果はあくまで概算であることに留意が必要です。また、各金額の端数は切り捨てて計算しています。
 

・所得税

所得税は7万8000円です。年収360万円から、基礎控除(48万円)、給与所得控除(104万円)、社会保険料控除(51万7000円)を差し引いた額に所得税率の5%をかけて算出しています。
 

・住民税

住民税は27万円です。住民税の決定方法は、所得に応じて税額が決まる所得割と定額制の均等割の2種類があります。東京都の所得割の税率は10%(都民税4%、区市町村民税6%)で、均等割は個人都民税1500円、個人区市町村民税3500円です。
 
そのため、基礎控除(43万円)と社会保険料控除(51万7000円)を差し引いた上で、所得割の税率と均等割の税額を加算して算出しています。
 

・社会保険料

社会保険料は51万7000円です。健康保険料(保険料率9.87%)が17万8000円、厚生年金保険料(保険料率18.3%)が32万9000円、雇用保険(保険料率0.3%)が1万800円として算出しています。なお、保険料は会社と折半です。
 

・手取り額

東京で働く都内在住の年収360万円程度の独身会社員の所得税、住民税、社会保険料の合計は86万5000円のため、手取りは約273万円です。
 

税金は上がってるのに給与は頭打ち?

以上の算出結果を見ると、平均年収360万円の会社員の若者(25~29歳)は、所得税と住民税だけで年間34万8000円も天引きされていることがわかります。その上で消費税も納めているため、若者の税負担は決して軽くないようです。
 

・税金の推移から見た負担率はどれくらいか

財務省の「負担率に関する資料」によると、平成22年度の国税と地方税を合わせた租税負担率は21.4%でしたが、令和2年度には28.2%に上昇しています。10年間で7%近い上昇幅です。
 
これは、消費税が平成26年4月1日に5%から8%へ、さらに令和元年10月1日には10%に引き上げられた影響が考えられます。なお、社会保険料負担率も同10年間で4%程度の上昇です。
 

・給与はどうなっている?

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、令和2年度の給与の平均は約25万6000円でした。平成22年度が約24万7000円だったため、10年間で3.6%(9000円)程度の上昇にとどまります。同じ10年間で、租税負担率は約7%、給与は3.6%の上昇。可処分所得が目減りしているのは明らかです。
 

給与がもっと上がらないと若者は税金のために働き続けることになる!?


若者のお金の使いみちが「税金」という話を聞くと首をかしげたくなります。ただ、国の統計によると平成22年度から令和2年度までの10年間で、税金の負担率は7%近く上昇していながら給与は3.6%しか上がっていません。こういった状況が続けば「税金を納めるために働いている」と感じる若者が増えても不思議ではありません。
 

出典

国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査
財務省 負担率に関する資料
厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査結果の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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