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月60時間超の残業をしている方は注目! 割増賃金率が引き上げられる?

ファイナンシャルフィールド / 2022年11月8日 8時20分

月60時間超の残業をしている方は注目! 割増賃金率が引き上げられる?

2023年4月1日から、中小企業も月60時間を超える残業は割増賃金率が大幅に引き上げられます。中小企業の引き上げは延び延びになっていたのですが、やっと実施されます。 (※中小企業の判定方法は、本稿の後半に掲載します)   <概要> 2023年3月31日までの、中小企業における月60時間を超える残業の割増賃金率は25%ですが、2023年4月1日からは2倍の50%になります。つまり通常の時間単価の1.5倍です。実は、大企業は2010年4月から実施されていました。

深夜労働ではどうなるか

深夜労働とは、22時から翌日5時までの時間帯で働くことです。深夜割増賃金率は25%ですから、月60時間を超える残業を深夜の時間帯にすると、深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%となります。つまり、通常の時間単価の1.75倍です。
  

休日労働との関係

月60時間の残業の算定には、法定休日に行った労働時間は含まれませんが、これ以外の休日に勤務した時間は含まれます。例えば、日曜日が法定休日の会社で土曜日も休日の場合、土曜日は法定外休日です。つまり、土曜日に働いた場合は法定時間外労働(残業)に加算されます。
 
※法定休日労働の割増賃金率は35%です。
※法定休日とは、会社は従業員に1週間に1日、または4週間に4回の休日を与えなければならないと労働基準法に明記されています。就業規則に記載されている会社が多いので、自分の会社の法定休日を確認してみてください。
 

代替休日

引き上げ分の割増賃金の代わりに、有給の休暇(代替休暇)付与する会社もあります。
 
月60時間を超える法定時間労働(残業)に対して、割増賃金の代わりに有給休暇を付与することも可能です。また、25%割り増しの賃金までは必ず金銭で払わなくてはいけません。しかし、それを超えた分については、休暇に振り替えることが可能となります(労使協定に基づく)。
 
労使協定では、次の4つを決める必要があります。
 

(1) 代替休暇の時間数について算定方法を具体化
(2) 代替休暇の単位を決定
(3) 代替休暇を取得することが可能な期間を決定
(4) 代替休暇を取得する日の決定方法、割増賃金を支払う日を決定

 
また、取得する従業員の休息の機会を確保する観点から、1日・半日・1日または半日のいずれかにすることになっています。
 

就業規則を確認

2023年4月以降に、就業規則が変更になっているかを確認しましょう。以下の記載例のように就業規則に明記されているはずです。
 

<就業規則の記載例>
(割増賃金)第〇条
時間外労働に対する割増賃金は、下記の割増賃金率に基づいて、次項の計算方法により支給する。
 
(1) 1ヶ月の時間外労働の時間数に応じた割増賃金率は、次のとおりとする。この場合の1ヶ月は毎月1日を起算日とする。
 
1. 時間外労働60時間以下・・・25%
2. 時間外労働60時間超・・・・50%
 (以下、略)

 

給与明細を確認

2023年4月以降の残業が反映されている給与明細を確認しましょう。月60時間を超えた残業単価が同年3月と同じなら、それは法律違反です。まずは会社の総務部門へ確認しましょう。
 

中小企業の判定

中小企業の判定は、業種によって違ってきます。
 

■小売業
資本金5000万円以下または常時使用する労働者数が50人以下
 
■サービス業
資本金5000万円以下または常時使用する労働者数が100人以下 
 
■卸売業
資本金1億円以下または常時使用する労働者数が100人以下
 
■製造業、建設業、運輸業、その他の業種(上記3業種を除く)
資本金3億円以下または常時使用する労働者数が300人以下

 

まとめ

2023年以降、残業について自分が勤務している会社では正しく変更されているか、就業規則や給与明細を一度見てください。万が一変更がなされていなければ、総務部などの担当部署に確認しましょう。
 

出典

厚生労働省 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます

 
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント

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