日本の経済成長率は「世界157位」!それでも「世界第3位の経済大国」だから大丈夫なの?データを確認してみよう
ファイナンシャルフィールド / 2022年11月11日 11時0分
日本はかつて、第二次世界大戦後の戦後復興、高度経済成長期を経て、飛躍的な経済成長をしました。しかし、最近は日本が経済成長できていないという話良く聞くようになりました。経済成長しなければ国民が今よりも豊かになることはできません。そこで、日本の経済成長率や1人当たりのGDPを世界と比較しながら、日本の豊かさについて考えていきます。
日本の経済成長率は世界157位
経済成長率とは、ある一定の期間において国の経済規模がどれくらいの速度で拡大しているかを割合で示したものです。国の経済規模は一般に国内総生産(GDP)で表されます。経済成長率は、GDPが年間でどれくらい増加したかをパーセンテージで表すものです。
これを国際通貨基金(IMF)のデータで見てみると、2020年(令和2年)における物価変動の影響を除いた日本の実質経済成長率は約1.6%で、世界157位でした。ただし、経済成長率は伸び率を示し、経済成長のスピードを示すものですから、必ずしも今現在の豊かさを示すものではありません。前年のGDPが小さければ、わずかな増加でも経済成長率は高く出てくることになります。
しかし、主要先進国を見ると、イギリスが7.4%、フランスが7.0%、アメリカが5.7%など、日本に比べて大きく成長しています。主要先進国との比較では、日本は「成長していない」と評価される状況です。
日本の1人当たりのGDPは世界30位
国内総生産(GDP)は、国の経済規模を示す重要な指標です。GDPとは、Gross Domestic Productの略で、国内である期間に生み出された物やサービスの付加価値の総額を指し、国の経済活動状況を表します。また、GDPには、名目値と実質値があります。名目GDPはGDPをその時点での市場価格で評価したもので、実質GDPは名目GDPから物価の変動による影響を除いたものです。
まず、名目GDPを国別のランキングで見ると、日本は2021年(令和3年)時点で世界第3位です。1位のアメリカ、2位の中国に続いて経済規模が大きい国であることがわかります。以前は日本がアメリカに次ぐ2位でしたが、中国の急激な経済成長によって追い抜かれ、2010年(平成22年)以来ずっと3位です。
次にGDPを国民1人当たりで見てみましょう。IMF(国際通貨基金)のデータよると、2020年(令和2年)の日本の1人当たりGDPは世界30位です。GDP総額の場合に比べ大きく順位を落としています。ただし、GDP総額1位のアメリカは1人当たりGDPでは世界7位、GDP総額2位の中国は77位にまでランキングを落としており、人口の多い国では順位下落が顕著です。
一方、ルクセンブルグが1位、シンガポールが2位と、人口の少ない国が1人当たりGDPの比較では有利であることがわかります。ただ、ドイツは19位、フランスは26位、韓国は27位、イギリスは28位ですから、やはり日本の順位が低いということは否定できません。国民1人ひとりに注目すると、日本はそれほど豊かな国ではないという状況になっているのです。
経済成長しない日本で生き抜く方法を考えよう
日本は世界的に見て経済成長しておらず、1人当たりGDPも世界の中ではあまり高くありません。特に、1人当たりGDPや平均賃金については、国民の生活実感に近い結果が見えてきました。
この状況が短期間に改善する楽観的な材料も現時点ではあまり見当たりません。個人での努力には限りがありますが、低成長率時代を生き抜く方法を考え、自分を磨く努力をしたり、資産運用をしたりする必要もあるでしょう。
出典
国際通貨基金 IMF World Economic Outlook Database April 2021
OECD 平均賃金 (Average wage)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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