災害に遭ったらどんな制度が使える?知っておきたい支援制度と注意点
ファイナンシャルフィールド / 2022年11月15日 6時10分
地震や台風などの自然災害によって被害を受けた際に利用できる公的支援制度があることをご存じでしょうか。 日本には住宅を修理したり、給付金が支給されたりする制度が設けられています。しかし、申請や記録を怠ってしまうと、せっかくの制度が利用できない場合があるので注意が必要です。 本記事では、災害に遭った場合に利用できる制度と被災したときの注意点を解説します。台風や地震などの災害に不安を持たれている方は、ぜひ参考にしてください。
被災時に利用できる公的支援制度
被災時に受けられる支援には、以下のような制度が挙げられます。
住宅の応急修理
災害復興住宅融資
雇用保険の特例措置
住宅の応急修理
災害によって住宅に一定以上の被害があり、自身で補修を行う資金がない場合には「住宅の応急修理」が活用できます。住宅の応急修理は、災害救助法に規定されているもので、自治体が委託した業者によって必要最低限の修理が行われます。
本制度の適用を受けるためには、以下の要件を満たさなければなりません。
・全壊または半壊、大規模半壊、準半壊の被害を受けている
・応急仮設住宅・公営住宅に入居していない
・修理を行う資金がない
※年齢による所得制限あり(大規模半壊の場合は所得制限なし)
半壊世帯は59万5000円が限度額とされ、準半壊の場合は30万円が限度となります。なお、自治体が指定する業者以外が修理を行った場合は、基本的に制度の対象外となるので注意しましょう。
災害復興住宅融資
住宅金融支援機構では、災害に遭った被災者が住宅を補修・建築するための融資制度を提供しています。融資対象は、住宅が全壊・大規模半壊・中規模半壊または半壊したことを証明する「罹災(りさい)証明書」の発行を受けている人です。
融資限度額と返済期間は図表1の通りです。
【図表1】
住宅金融支援機構 災害復興住宅融資より筆者作成
なお、融資金利は原則として毎月改定されるため、適用金利を利用前に確認しておきましょう。
雇用保険の特例措置
災害が原因となり離職・休業することとなった場合には、雇用保険の特例措置による給付が行われるケースがあります。ただし、雇用保険の加入期間などの条件が設けられているため、災害ごとの適用条件を確認することが必要です。
災害によって、居住地のハローワークに訪問できないときや、身分証明書などが提示できない場合があります。そういった状態でも、手続きが行える可能性があるので、まずはハローワークに相談してみましょう。
公的支援制度を利用する際の注意点
本記事で紹介した公的支援制度を利用するには、罹災(りさい)証明書の発行や災害記録を残しておくことが重要です。
災害復興住宅融資では罹災(りさい)証明書の提示が適用条件とされ、雇用保険の基本手当(失業保険)では罹災(りさい)証明書によって給付制限期間を短縮する特例措置が設けられています。
修理をした後では、罹災(りさい)証明書の発行ができなくなってしまうので、自身で修理するときは被災した状況を証明できる写真を必ず撮影しておきましょう。
災害に遭ったときに備えて公的支援制度を知っておきましょう
地震や台風などの災害に遭ったときには、公的支援制度による支援が受けられます。
ただ、支援を受けるためには、罹災(りさい)証明書の申請や公的機関での手続きが必要です。申請前に自身で修理をしたり、申請期間を過ぎたりした場合には、支援制度が受けられなくなってしまうことがあるので十分注意しましょう。
被災したときに慌てて調べても、適切な対処ができない場合がほとんどです。どのような支援が受けられ、どういった申請が必要となるかを平時に確認し、理解を深めておきましょう。
出典
内閣府 防災情報のページ 公的支援制度について
住宅金融支援機構 災害復興住宅融資
厚生労働省 災害時における雇用保険の特例措置等について
執筆者:東本隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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