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「高年齢求職者給付金」と「失業保険」どちらが得? 両方受給できる場合もあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2022年11月21日 23時0分

「高年齢求職者給付金」と「失業保険」どちらが得? 両方受給できる場合もあるの?

人生100年時代といわれる現在、60歳や65歳で定年退職した後も働き続ける人が増えています。直ちに再就職できず、失業状態にある高齢者には「高年齢求職者給付金」が支給されますが、この給付金と失業手当とでは、どちらの方が高齢者に有利でしょうか。また、両方もらうことも可能でしょうか。   本記事ではこれらの疑問に対して解説します。

高年齢求職者給付金とは


 
高年齢求職者給付金とは以下の要件を満たす人に支給される手当てです。
 
1.65歳以降に退職していること
 
厳密には、65歳の誕生日の前日に65歳になるとみなされるため、65歳の誕生日の前日以降に退職したことが必要です。
 
2.退職前の1年間で6ヶ月以上、雇用保険に加入していたこと
 
3.公共職業安定所(ハローワーク)で求職の申し込みをし、高年齢受給資格の決定を受けること
 
4.「失業状態」にあること
 
「失業状態」にあることとは職業に就く意志と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態にあることを指します。なお、この認定は65歳未満の失業者と同じく公共職業安定所が行います。
 
5.退職した日の翌日から1年以内に「失業状態」になること
 
なお、高年齢求職者給付金は受給期間を延長することができません。
 

高年齢求職者給付金と失業手当の違い

高年齢求職者給付金は「65歳以上の人を対象とする失業手当」と説明されることもありますが、失業者が65歳以上であるだけではなく、65歳以降に職を失っていることも必要です。これに対し、65歳未満で退職し、失業状態にある人には失業手当が支給されますが、その人が65歳になると失業手当は支給されません。
 
つまり、高年齢求職者給付金は65歳以上の者が、失業手当は65歳未満の者が対象となるため、両者を同時にもらうことはできません。ただし、65歳未満で失業手当を、その後、65歳以上になって高年齢求職者給付金を受給するという意味で両方をもらうことは可能です。
 
なお、これらの手当ては雇用保険(失業保険)に加入していた人のみが受け取れる点では同じです。ただし、受給日数や受給額は大きく異なります。詳しくは、受給日数は高年齢求職者給付金が30~50日間であるのに対し、失業手当は90~330日間です。また、1日当たりの受給額(基本手当日額)は高年齢求職者給付金が最高6850円であるのに対し、失業手当は最高8355円です。
 
したがって、条件が同じであれば、失業手当の方が受給総額は多くなりますが、65歳になる直前に失業すると、失業手当の受取額が少なくなる点に注意を要します。受取額が少なくなるのは、65歳以上の人に失業手当は支給されないためです。なお、高年齢求職者給付金には年金も同時に受給できるという利点があります。
 

高年齢求職者給付金と失業手当の同時受給は不可

高年齢求職者給付金は65歳以上の人に支給される特別な失業手当です。他方、65歳未満の人には失業手当が支給されます。このようにどの手当てが支給されるかは年齢によって異なるため、ある失業者がこれらの手当てを同時に受け取ることはできません。したがって「どちらが得」であるか検討する実益は小さいといえます。
 
なお、失業手当の方が受取総額は多くなるため、64歳の誕生日を迎えたらすぐに退職し、失業手当の最長受給日数である330日間、失業手当を受け取ると得だと考えられます。ただし、65歳になる前に再就職しないと、後に再び失業した際に手当て(高年齢求職者給付金)は支給されなくなる点に注意しなければなりません。
 

出典

ハローワーク インターネットサービス 基本手当について

厚生労働省 雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和4年8月1日から~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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