業界別の年収をチェック! 業界によって年収はどのくらい違う?
ファイナンシャルフィールド / 2022年11月21日 8時40分
年収は年齢や勤続年数、能力によっても変わりますが、従事している業界の違いも年収に大きく影響します。業務でも成果を上げているにも関わらず年収が上がらないという方は、あまり年収の高くない業界で働いている可能性があります。 しかし、自分の働く業界の平均年収が、他の業界と比べて高いのか安いのか、比較してみた経験のある方は多くないでしょう。 今回は、国税庁の資料などを基に業界別の年収をチェックして、業界別による年収の違いを解説します。
業界による年収の違いをチェック
国税庁の発表した令和3年分の「民間給与実態統計調査」によると、業種ごとの平均年収は図表1のとおりです。
【図表1】
1 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 766万円 |
2 | 金融業・保険業 | 677万円 |
3 | 情報通信業 | 624万円 |
4 | 学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業 | 521万円 |
5 | 製造業 | 516万円 |
6 | 建設業 | 511万円 |
7 | 複合サービス事業 | 494万円 |
8 | 不動産業・物品賃貸業 | 426万円 |
9 | 運輸業・郵便業 | 425万円 |
10 | 医療・福祉 | 407万円 |
11 | 卸売業・小売業 | 377万円 |
12 | サービス業 | 369万円 |
13 | 農林水産・鉱業 | 310万円 |
14 | 宿泊業・飲食サービス業 | 260万円 |
全体平均 | 443万円 |
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より筆者作成
図表1から、最も平均年収の高い業種と低い業種では、平均年収に約500万円の違いが見られます。業界の違いによって、平均年収に2~3倍の差が出てくることも分かります。
以下では、年収の高い業種と低い業種について詳しく解説します。
最も平均年収が高い業界は電気・ガス・熱供給・水道業
図表1では、最も平均年収の高い業種は、電気・ガス・熱供給・水道業となっており、電力会社やガス会社など、生活インフラに関わる業界は平均年収が高くなっていることが分かります。
次いで、金融業・保険業が2番目に年収が高い業界という結果が出ています。
最も平均年収が低い業界は宿泊業・飲食サービス業
同じく図表1では、最も平均年収が低い業種は宿泊業・飲食サービス業です。宿泊業・飲食サービス業に含まれるのは、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業となっています。近年増加傾向にあるフードデリバリー業種も含まれており、非正規雇用で働く方が多く、それが原因で平均年収が低くなっているのかもしれません。
次いで、農林水産・鉱業が2番目に年収が低くなっており、一次産業の業界の厳しさも感じられます。
年収が高いのは何万円から? 平均年収や年収の階層を調査
業界の違いによる年収の違いは分かりましたが、平均年収の上位から何番目までの業種を「年収の高い業界」とよぶことができるのでしょうか。また、平均年収が上位の業種で働いている方でも、自分の年収が業界の平均年収に達していない方もいるかもしれません。
ここでは、同じ「民間給与実態統計調査」の資料から、平均年収や年収階層ごとの割合をまとめて、何万円から年収が高いといえるのかをご紹介します。
平均年収は433万円
令和3年度の1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの平均給与は、図表2のとおりです。
【図表2】
男性平均 | 545万3000円 |
女性平均 | 302万円 |
平均 | 443万3000円 |
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より筆者作成
男女の違いにより、平均年収に約200万円の差がある点にも注目する必要があります。
なお、平均年収は約443万となっており、業種ごとの平均年収が全体の平均年収を上回る業界は以下のとおりです。
・電気・ガス・熱供給・水道業
・金融業・保険業
・情報通信業
・学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業
・製造業
・建設業
・複合サービス事業
図表1で分類された14の業種から上位7番目までの業界が、全体の平均以上の年収となっています。この7業種を年収の高い業界といってもいいでしょう。
割合が最も多いのは300万~400万円
ただし、平均年収は年収の高い役員などの値も含まれるため、平均年収を下回っていることが即年収が低いと判断できるわけではありません。同じ「民間給与実態統計調査」によると、年収の階層ごとの割合は図表3のとおりなので、こちらも参考にしてみてください。
【図表3】
100万円以下 | 8.1% |
100万円超 200万円以下 | 13.3% |
200万円超 300万円以下 | 14.8% |
300万円超 400万円以下 | 17.4% |
400万円超 500万円以下 | 15.0% |
500万円超 600万円以下 | 10.5% |
600万円超 700万円以下 | 6.7% |
700万円超 800万円以下 | 4.6% |
800万円超 900万円以下 | 2.9% |
900万円超 1000万円以下 | 1.9% |
1000万円超 1500万円以下 | 3.5% |
1500万円超 2000万円以下 | 0.8% |
2000万円超 2500万円以下 | 0.3% |
2500万円超 | 0.3% |
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」より筆者作成
図表3を見ると、最も割合が多いのは300万〜400万円の17.4%となっており、図表1の平均年収の443万円よりも低い値になっています。
年収の最も高い業界は電気・ガス・熱供給・水道業。宿泊業・飲食サービスは年収が低い
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」から、年収の最も高い業界は、業種の平均年収が766万円の「電気・ガス・熱供給・水道業」、最も低いのは平均年収が260万円の「宿泊業・飲食サービス業」と分かりました。全体の平均年収は443万円、年収を階層別に分けて最も割合が多いのが300万〜400万円です。
働く業界の平均年収を全体と比べて高いか低いか、また、自分の年収が業界の年収と比較してどの程度の水準にあるか、これらの結果を参考に、自分の仕事や働き方などについて考えてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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